侍(1965) 作品情報
さむらい
万延元年二月十七日。雪降る桜田門を、水戸浪士星野監物を首領とする同志三十二名が、登城する井伊大老を狙っていた。しかし、なぜか井伊は登城をさけ、暗殺計画は失敗に終った。相模屋に集合した同志は、副首領住田啓二郎の「この中に裏切り者がいる」という言葉に騒然となった。その日から星野と住田は裏切り者の探索に乗り出した。そして浮びあがったのは、尾州浪人新納鶴千代と上州浪人栗原栄之助であった。鶴千代は、出生の秘密も知らず、孤児として成長し、浪人として食いつないでいたが、ある日、捕吏に追われる小島要ら水戸浪士を助け大老暗殺計画の一味に加わったのだった。「天下にときめく大老の首をとって、侍になる」鶴千代の夢は広がった。一方栄之助は町道場で代稽古をつとめ、文武に長じた穏かな家庭人で、みつという美しい妻があったが、井伊大老のやり方に反抗して同志となった。この二人は鶴千代が道場破りに現われて以来の友人であったが、栄之助の妻みつと、大老と親しい間柄である松平左兵督の側室お千代の方とは、姉妹であったことから二人は、萩原又三郎の疑いをうけたのだった。疑わしい者は斬る星野監物の強い信念で、武勇をみこまれた鶴千代がその役に指命された。その頃鶴千代は、相模屋の女将お菊にかつて鶴千代が慕情を寄せた一条成久の息女、菊姫の面影をみて、泥酔する毎日であった。星野から話を聞いた鶴千代は、涙ながらに栄之助に斬りかかった。だがその後裏切り者の正体は、同志の参謀増位惣兵衛と判り、即日、斬殺された。三月三日、暗殺の日は決定した。だが鶴千代の出生の秘密を知った監物は、鶴千代に刺客を送った。鶴千代の実父は、井伊大老であったのだ。決行の日、刺客を倒して、桜田門外に走った鶴千代の刀に、実父大老の首はかかり、侍の栄達をめざす鶴千代の会心のほほえみがあった。
「侍(1965)」の解説
群司次郎正の原作「侍ニッポン」を「仇討」の橋本忍が脚色「ああ爆弾」の岡本喜八が監督した幕末もの。撮影は「われ一粒の麦なれど」の村井博。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:岡本喜八
原作:群司次郎正 出演:三船敏郎 小林桂樹 伊藤雄之助 松本幸四郎 新珠三千代 新珠三千代 田村奈己 八千草薫 杉村春子 東野英治郎 平田昭彦 稲葉義男 大辻伺郎 中丸忠雄 当銀長太郎 黒沢年男 天本英世 江原達怡 中村芝鶴 市川中車 市川高麗蔵 藤田進 寺島貢 志村喬 沢村いき雄 長谷川弘 常田富士男 堤康久 浦山珠実 鈴木和夫 桐野洋雄 田島義文 荒木保夫 向井淳一郎 草川直也 二瓶正也 小川安三 山本廉 岩本弘司 権藤幸彦 関田裕 緒方燐作 伊藤実 鈴木治夫 |
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配給 | 東宝 |
制作国 | 日本(1965) |
上映時間 | 122分 |
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