悪名太鼓 作品情報
あくみょうだいこ
河内の夏祭りの資金を手に入れるため、清次が朝吉の大事にしていた太鼓を売ったことに気づいたのは、清次が太鼓と共に九州の狼王会のもとに出発した直後だった。すぐ後を追った朝吉がトラックの上で清次ととっ組みあいをする内に、狼王会の若者の匕首が、太鼓の皮を破ってしまった。そのうえ、朝吉はトラックから落ちて、太鼓はとうとう九州へ運ばれた。憤懣やるかたない朝吉のもとへ、「セイジコロサレタ」の電報が届くや、胸のうちは、逆上して、朝吉は関門トンネルを越えた。花輪に囲まれた清次の告別式。だが、祭壇の写真は、清次とは別人の顔。朝吉の名前を聞くなり、姿を消した喪服に真珠をつけた女。奇妙な雰囲気の葬式に、一きわ大きな花輪は、清次が太鼓を貸した相手“狼王会菊沢”の名前であった。死んだ清次という男の女房宏子から、朝吉は、宏子の夫は密入国人で、菊沢から清次の戸籍を買うと、香港ルートの密輸グループに誘われたが、断わったために殺されたと聞かされた。一方清次は、太鼓の胴に五億円の密輸品をつめて、関西ルートに流すと聞かされて驚愕したものの、戸籍を失った今、菊沢の言う通り動くより仕方がなく、宏子を連れ出す手助けをする中に、朝吉と出逢った。宏子の息子で養護施設にいるタカシを、誘拐しようとした菊沢は、朝吉の出現で失敗した。朝吉は、菊沢の影の女で、告別式に居た真珠の女、紅杏子から、菊沢の片棒をかつぐよう誘われたが、断わった。一方、菊沢に朝吉を狙うよう命令された清次は、拳銃で殺したかのように見せかけると、朝吉を海に逃がした。丁度香港のボスを迎えて、菊沢がはる宴会の席上にかけつけた朝吉と清次の奮闘で五億円の札束は無事保護され、悪党は一人残らず逮捕された。数日後、朝吉の叩く太鼓の音が、晴ればれと響いていった。
「悪名太鼓」の解説
今東光の原作を「宿無し犬」の藤本義一が脚色「駿河遊侠伝 賭場荒し」の森一生が監督した悪名シリーズ九作目。撮影もコンビの今井ひろし。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:森一生
原作:今東光 出演:勝新太郎 田宮二郎 朝丘雪路 若松和子 浜田ゆう子 芦屋雁之助 芦屋小雁 田端義夫 島田竜三 杉田康 伊達三郎 嵐三右衛門 寺島雄作 越川一 見明凡太朗 岩田正 薮内武司 竹谷俊彦 伊東義高 藤春保 |
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配給 | 大映 |
制作国 | 日本(1964) |
上映時間 | 85分 |
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