「女の小箱」より 夫が見た 作品情報
おんなのこばこよりおっとがみた
川代誠造は、敷島化工の株式課長だ。今、株の買占めに悩まされる敷島は、その防衛に必死で、川代も家をあける事もしばしば。妻の那美子はそんな夫との生活に耐えられず、友人に誘われるまま、バー「2・3」で遊ぶようになった。バーの経営者石塚健一郎は事業欲が旺盛で敷島の乗取りを企てるつわもの。石塚は郡美子が川代の妻と承知の上で誘惑した。石塚は、美人秘書エミやバーのマダム洋子とも関係している。一方誠造も石塚の情報を得るためエミと関係した。株の買占めに洋子は、何かと手をつくしていた。那美子が誠造の情事を知った直後、エミは何者かによって殺害された。犯人は誠造であるとみなされた。那美子は一度は夫のアリバイ造りに偽証したものの石塚の苦境を知り、夫を裏ぎり石塚のアリバイを証言した。全てに失敗し会社の地位をも失った誠造は、那美子に身体を売って石塚に株の買占めから手をひくよう懇願してくれとたのんだ。意を決した那美は石塚との情事にふけった。石塚は株の代金二百万を、洋子との手切れ金にし、那美子との新しい生活に入ろうとした。が、那美子が洋子の家でみたのは石塚の冷たいなきがらであった。
「「女の小箱」より 夫が見た」の解説
黒岩重吾原作『女の小箱』より、「犯罪作戦NO・1」の高岩肇、「風の武士」の野上龍雄が共同で脚色、「現代インチキ物語 騙し屋」の増村保造が監督したサラリーマン・スリラー。撮影は「若い樹々」の秋野友宏。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:増村保造
原作:黒岩重吾 出演:若尾文子 川崎敬三 田宮二郎 岸田今日子 江波杏子 千波丈太郎 町田博子 小沢栄太郎 |
---|---|
配給 | 大映 |
制作国 | 日本(1964) |
上映時間 | 92分 |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-03-06
黒岩重吾の原作を金か愛かを廻るサラリーマン社会の家族の愛憎劇として痛快に或いは残酷な迄に描き出した作品。一寸,市川崑監督の名篇「黒い十人の女」の諧謔なタッチも連想させた映画,増村保造監督と若尾文子の最強のタッグが決まったモダンなスタイルの恐ろしき純愛なホームドラマの傑作mysteryだった…