車掌物語 旅は道づれ 作品情報
しゃしょうものがたりたびはみちづれ
牧田一夫君は国鉄の乗客専務車掌である。まだ若い彼にとって、列車内の出来事は人生の縮図に見えて面白い。ある朝、荷物をひとつ運んでくれと頼まれた。荷物というのは、首に行先を書いた札をぶら下げて風呂敷包みを抱えた男の子、進くんであった。どうにか車掌室に落ちつかせたのもつかのま、発車まぎわにお婆さんがかけつけた。せきたてる牧田君をぐっと睨んだお婆さん「年寄りじゃ、汽車を待たせておけばいいに」と大威張り。ようやく発車させた牧田君は進のおしゃべりをしばらく聞いてやる。母親は以前亡くなり東京で父親と暮していたが、こんど田舎の祖父母にひきとられることになったのだという。「おばあちゃんたち、ボクのことがわかるかなあ」心細そうな進に牧田君は大いに同情してしまった。車掌は忙しい。牧田君は検札に出かける。一等車の前で牧田君は、切符を持たない女性をみつけた。夫が出張だといって出かけたが、どうも浮気くさいのであとをつけてきたのだという。夫の行先が分らないから切符は買えない、と平然たる彼女に牧田君は眼を白黒。ところが一等車では大変な騒ぎがもち上っていた。さきほどから蒼い顔をしていた女がお産をしたのだ。ところがあいにく医者は一人もいない。おろおろしている牧田君のところへ顔をつき出したのは大威張りのお婆さん。「あたしにまかせなさい」というわけで、牧田君を指図して、無事赤ちゃんが生れた。乗客は皆手を叩いて大よろこび。「なんてツイてない日だろ」とぼやく牧田君だったが、プラットホームにすべりこんだ列車に駅長たちがのりこんで、肩を抱いて喜んでくれたときにはさすがにうれしさがこみ上げてきた。牧田君の気転で助けられた浮気紳士は、通路にいた細君をうまくごまかすことが出来た。進くんものぼりを立てて迎えにきていた祖父母の手に渡された。こうして牧田君は三つの功徳をしたのだが……。
「車掌物語 旅は道づれ」の解説
NHK名古屋中央放送局連続ラジオ・ドラマで、牧野不二夫、岸宏子、鈴木新吾、山田万亀、原作を「猫が変じて虎になる」の中川一が脚色、「英語に弱い男 東は東西は西」の春原政久が監督した喜劇。撮影もコンビの山崎安一郎。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:春原政久
原作:牧野不二夫 岸宏子 鈴木新吾 山田万亀 出演:小沢昭一 藤村有弘 新井麗子 清水まゆみ 久里千春 金子吉延 宮崎準 鈴木三右衛門 鈴木俊子 榎木兵衛 武智豊子 小泉郁之助 福田トヨ 山本正明 水森久美子 久松洪介 小野武雄 河上信夫 小沢直好 南利明 谷幹一 茂手木かすみ 水木京二 玉井謙介 井田武 光沢でんすけ 三船好重 |
---|---|
配給 | 日活 |
制作国 | 日本(1962) |
上映時間 | 71分 |
ユーザーレビュー
レビューの投稿はまだありません。
「車掌物語 旅は道づれ」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。