千客万来(1962) 作品情報

せんきゃくばんらい

紅葉の秋。味が自慢の天ぷら屋天銀の一人息子小林銀之助は、幼馴染の多佳子と磐梯に登るが、旧友今村謙太郎と香取啓子たちの一行と会った。銀之助は後輩にあたる啓子が好きだった。夫に先立たれた銀之助の母うめは、店で小まめに働く多佳子を、息子の嫁にと思っている。一方、謙太郎は前川建設の有能な技師で、啓子は社長秘書。彼女の父、丸菱商事の重役香取英介と前川社長とは無二の仲で、お互の糟糠の妻である安江と正子はよき相談相手だ。香取の頼みで前川は、謙太郡と啓子を結婚させようと骨を折っているが、肝心の本人同士が一向に煮えきらない。ある夜、香取と前川がバー・蜂の巣へ出かけると、マダムの京子は前川が二号として囲っている女給ツヤ子に、同じアパートの吉田という学生が熱をあげていると耳打ちした。自分の娘と同じ年頃の女の子相手に惚れたはれたでもなかろうと、前川も考えていた矢先きである。ところで、天銀に勤める多佳子の家は下町の雑貨商で、父太一は水上バスの船長さん。会社の主任から、メリヤス屋の次男坊の嫁に多佳子をといわれたが、妻のみつに「多佳子の好きな人は銀之助さんよ」と聞かされて大よろこび。というのも、銀之助の亡父と竹馬の友だったからである。啓子は謙太郎の酒豪ぶりが気にかかり、叔父の香取良介、アヤ夫妻のもとへ相談に行くが、男女同権の理想的な家庭を見て、結婚に踏みきる気になった。新婚旅行から帰って間もなく、些細なことから謙太郎が暴力をふるったので、啓子は家を飛び出した。失意の謙太郎が天銀でヤケ酒を飲んでいると、ご機嫌の太一がきて、銀之助に多佳子を貰ってくれと泣くのだった。そのころ、離婚を宣言した啓子は前川社長から「男が女を殴るのは、男の気持を判ってくれという祈りだ」と訓され、さらに叔父の妻への愛情の美しさを見てわが家に戻った。ツヤは前川の幸福のため故郷の四国に帰った。銀之助と多佳子の結ばれる日も近いだろう。

「千客万来(1962)」の解説

「小早川家の秋」の野田高梧と「めぐり逢う日まで」の柳井隆雄、「あの波の果てまで」の富田義朗の三人が共同で脚本を書き、「河口」の中村登が監督した青春喜劇もの。撮影もコンビの厚田雄春。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督中村登
出演山村聡 三宅邦子 岩下志麻 鰐淵晴子 佐田啓二 岡田茉莉子 伊藤雄之助 水戸光子 竹脇無我 宗方勝巳 沢村貞子 中村是好 桜むつ子 牧紀子 川津祐介 山下洵二 瑳峨三智子 高千穂ひづる 桑野みゆき 大泉滉 杉浦直樹 三井弘次 津川雅彦
配給 松竹
制作国 日本(1962)
上映時間 81分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:52

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