南太平洋波高し 作品情報
みなみたいへいようなみたかし
九州三楯の海軍航空基地には特攻隊が編成されていた。折しも司令官渥美大佐をはじめ、結城少尉等が飛びたったばかりの特攻隊の戦果を待っていた。そこへヨタヨタ帰還してきた一機。予備士官あがりの三好少尉だ。発動機不調!の声に耳もかさず、「敵前逃亡だ」と罵る上官、同僚達。そんな中にあって三好は平気な顔だ。三好は今までこんなことが二回あったのだ。皆の気持もわかるが、帰ったばっかりに、卑怯者呼ばわりをされるのを嫌って、エンジン不調のまま海に突っこんだ友達のように犬死は決してしない主義なのだ。彼は同僚とか教官からは、お前の体の中にはヤクザの血が流れているといわれていた。することなすことがヤクザっぽいのである。気性が軍隊に反発するのだ。一方、三好と、同期の陶山は、マリアナ沖で九死に一生を得、故郷に帰って来ていた。回天乗組員の陶山は、恋人洋子にも会わずに発つつもりであったが、九州で会った三好の諭しで洋子とも会い楽しい一時を持つことができた。三楯の基地を、或る日敵機が襲って来た。その時、子供をかばって三好は怪我をした。そんな三好に芸者の寿美栄は好意を持った。喧嘩相手の結城も見舞にやって来た。翌日、再び敵機が襲って来た。大国少佐、三好、結城の三人が飛びたった。十六対三の空中戦。十機を撃墜して敵機を追い払った三人は地上でしっかと手を握りあった。大国も教え子の二人が腕をあげているのに満足そうだった。その晩陶山が三好に別れを言いに来た。回天と共に潜水艦に乗るのだ。翌日、三好たちにも特攻出撃命令が発令された。大国少佐以下二十五機。沖縄沖に飛びたった。沖縄沖では、すでに回天攻撃が始まっていた。そこへ上空から、大国の率いる特攻隊が現われた。三好は傷ついた結城をかばって奮戦。結城におそいかかる敵機を次々と撃ち落した。結城は、三好ににっこり手を振りながら敵艦に突っこんでいった。大国少佐と三好少尉は、突撃する特攻機に襲いかかる敵機を射落しながら、奮戦した。然し、二人の機も傷を負った。大国は三好と最後の挨拶を交わすと、まず大国機が敵艦に体当りしていった。三好もそれを横目でみながら敵艦に自分の機を向けた--。数え切れぬほどの若人の命をのんだ海は、今、戦闘の終結と共に次第に静まりかえっていった。
「南太平洋波高し」の解説
「緋ざくら小天狗」の棚田五郎と「悪魔の手毬唄(1961)」の渡辺邦男が共同でシナリオを書き、監督した戦争もの。撮影もコンビの渡辺孝。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:渡辺邦男
出演:梅宮辰夫 水木襄 千葉真一 鶴田浩二 高倉健 水上竜子 三田佳子 田崎潤 石黒達也 中村昭二 南廣 波島進 水原一郎 石森武雄 曽根晴美 滝川潤 岡本四郎 小嶋一郎 大村文武 小野透 久保一 小川守 亀石征一郎 今井俊二 丹波哲郎 前島稔 住田知仁 久保奈穂子 永田靖 沢村貞子 山本とも子 風見章子 牧野内とみ子 北山達也 轟謙二 斎藤紫香 北峰有二 菅沼正 |
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配給 | 東映 |
制作国 | 日本(1962) |
上映時間 | 94分 |
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