新女囚さそり 701号 作品情報

しんじょしゅうななまるいちごう

女子大生の松島ナミの姉、松島妙子は、政界の大物と言われる三浦代議士の秘書であった。いま、世間は政界の政治献金をめぐって騒然としていた。三浦代議士も灰色高官として疑惑がもたれている一人だった。日が経つにつれて、妙子の不審な行動を案じたナミは、妙子に電話をするが、返答がなく電話は切れてしまう。ナミは、恋人の小坂とともに、妙子がよく利用するホテルへ直行した。その日、妙子は婚約者の杉野と一緒に、海外に旅立とうとしていた。妙子とあったナミは何も聞き出せず、二人を見送った。数分後、杉野は何者かの車でひき殺され、また妙子までも連れ去られてしまった。その夜、ナミは妙子が残していったテープによって、意外な事実を知った。テープの中味は、三浦と政府の陰謀が録音されていた。数日後、三浦と面会したナミは、テープを交換条件に姉の居所を問い正した。そして、ある料亭に連れていかれたナミは、そこで初老の国会議員に抱かれる姉の姿を見た。この一連の奇妙な事件は、すべて三浦の企みである事を、ナミは知るのだった。一方、秘密をすべて知られた三浦は、その場でナミを犯し、妙子を殺害した。翌日、ナミは三浦の陰謀と、信じ切っていた小坂の裏切りによって、姉殺しの罪を着せられてしまった。三浦の手で、女子刑務所に送られたナミは、その日から姉の復讐を誓って“さそり”へと化身していった。牢名主の鈴木房江がいる第8雑居房に入れられたナミは、そこで女囚からむごい制裁を受けた。じっと耐えるナミの態度は、房江らをさらに激化させていった。女囚らのナミへの攻撃がエスカレートしたある日、房江は刑務所長高村の命令でナミを殺そうとしたが、逆にナミに感づかれ、ガソリンを頭からかけられて房江は焼死した。ナミの偽装自殺に失敗した高村は、ナミを独房へ押し込めたが、一向にまいらないナミに手を焼いた。ある日、この刑務所に、三浦の企みによって千沙という女囚が送り込まれた。千沙は、ナミに近づいて脱走の話を持ちかけた。何げなく千沙の話を聞くナミは、千沙が三浦のさしがねで接近してきた事を知りながら、この話にのるのだった。三浦と小坂に復讐するために、ナミが脱走を決行したその日、刑務所内は女囚の暴動が起って騒然となった。その隙を見て、ナミは所長室に入り込み、所長の片眼にナイフを突き刺して、これまでの怨みを晴らすのだった。そして、黒の衣裳に身を固めたナミは、姉の復讐のために、都会の中へと消えていった。

「新女囚さそり 701号」の解説

篠原とおるの人気劇画を映画化した“さそりシリーズ”の二年半ぶりの復活で、政治家の陰謀で姉を殺され、輪姦されて、女子刑務所に投じられた松島ナミが、怨念を抱いて次々に仇に復讐していく姿を描く。脚本は「子連れ殺人拳」の鴨井達比古、監督は「爆発!750CC(ナナハン)族」の小平裕、撮影は「トラック野郎 望郷一番星」の飯村雅彦がそれぞれ担当。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1976年11月17日
キャスト 監督小平裕
原作篠原とおる
出演多岐川裕美 夏夕介 紺野洋子 中谷一郎 范文雀 根岸とし江 山本麟一 河合絃司 高月忠 衣麻遼子 城新子 フラワーキッス 牧よし子 高村ルナ 山本緑 滝波錦司 河野洋子 小山柳子 叶優子 金子信雄 小林稔侍 浅香光代
配給 東映
制作国 日本(1976)
上映時間 88分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:54

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