利休 作品情報
りきゅう
天正10年、利休は茶頭として信長に仕えていたが、6月の本能寺の変で信長は明智光秀に殺された。数年後利休は信長の後継者として力を伸ばしてきた秀吉の茶頭となった。利休は茶の湯を通して全国の武将を魅了し、わびの極致と言われる京都・山崎の待庵など贅の限りを尽くし自分の世界を築いていった。しかし、石田三成が台頭してきてから、秀吉と利休の関係が狂い始めた。まず利休の愛弟子でかつて秀吉の逆鱗に触れて所払いになった宗二が殺された。さらに三成は秀吉に「利休が朝鮮出兵に疑義を抱いている」ともちかけた。利休は茶室で秀吉と顔を合わせたが、朝鮮出兵に口を出したため、ますます秀吉を怒らせてしまった。利休は京を退き、堺屋敷内に閉居するよう命じられた。秀吉の正妻、北政所・ゆらから利休の妻・りきに便りが届き、詫びれば自分からも許しを乞うとあった。しかし、りきからゆらへの便りには丁重な礼の言葉があるだけで、秀吉はさらに腹をたて、利休に切腹を命じたのだった。
「利休」の解説
織田信長、そして豊臣秀吉に茶頭として仕えた千利休の生涯を描く。野上彌生子原作の小説『秀吉と利休』の映画化で、脚本・監督は「アントニー・ガウディー」の勅使河原宏、共同脚本は赤瀬川原平、撮影は「226」の森田富士郎がそれぞれ担当。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1989年9月15日 |
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キャスト |
監督:勅使河原宏
原作:野上彌生子 出演:三國連太郎 三田佳子 松本幸四郎 中村吉右衛門 田村亮 岸田今日子 北林谷栄 山口小夜子 藤田芳子 坂東八十助 嵐圭史 中村橋之助 財津一郎 観世栄夫 江波杏子 瀬間千恵 秋乃桜子 杣山久美 千田真弓 元永定正 飯田善國 堂本尚郎 熊倉功夫 中村獅菫 ルイ・マルケス 丹野由之 青山裕一 織本順吉 今福将雄 矢野宣 栗崎昇 久保晶 森山潤久 徳田興人 伊藤友乃 ケン・フランケル ドナルド・リチー 井川比佐志 山崎努 |
配給 | 松竹 |
制作国 | 日本(1989) |
上映時間 | 135分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、4件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-06-19
歴史ドラマというものは、厳然とした歴史の流れがあらかじめ決まってしまっているから、物語の筋がどうなるのかを楽しむ余地は少ないものです。
織田信長の後には豊臣秀吉が、秀吉の後には徳川家康が天下を獲る定めになっているし、話の中で石田三成がいくら智略の限りを尽くしたところで、彼が政権を取り損ねて殺されたのは周知の事実です。
野上彌生子原作の歴史小説「秀吉と利休」を基にして作られた、この勅使河原宏監督の「利休」も例外ではありません。
主人公の千利休が、秀吉から死に追いやられる結末はわかっているし、愛弟子の山上宗二が惨殺されるのも、利休の反対を押し切って朝鮮出兵が強硬されるのも、歴史のままです。
そして、三成が利休に家康の毒殺を命じる創作エピソードにしても、家康が生き永らえるのは必然だから、果たして実行するかどうかのスリルには結びつかないのです。
だから、我々観る者は、結果よりもその途中のプロセスを、ドラマとして楽しむというスタンスで観るわけです。
なぜ、秀吉は寵愛していた利休を殺したのか、その歴史上の「なぜ」が、この映画の最大のテーマになっているのです。