P.N.「水口栄一」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2025-05-20
シリウスの伝説を観た。とても感動した。これは何よりも共感できるところがいっぱいあったからだ。愛するとは信じることじゃ。愛とは信じて疑わぬこと。たとえ裏切られても愛とはひたすら信じ続けることじゃ。それが幸せな愛じゃとな。リリカの岬の上で吐いた大海ガメ・モワルの言葉は今もなお私の心に焼きついて離れない。今もこの地球上で無数の男女が出会い、様々な恋愛が生まれていることだろう。だが信じて疑わぬ愛がはたしてどれほど成立しているか、いささか疑問である。ひたすら信じることは私たちにとって困難なことである。だがどんなに裏切られても、ひたすら信じることが愛の出発点であると私は思う。愛とは単なる遊びではなく、大変な努力を必要とする宗教的なものではなかろうか。神なき時代と言われて久しい。確かに現代は信じるものが見つけにくい時代である。だが人はいつも何かを信じていたいという熱い思いにかられる。私もまたそのひとりである。夏のさそり座の主星アンタレスの赤い輝きと対照的に青く白く輝くシリウス。これを見ていると、ひたすら燃え、果てしない苦しみや悲しみ、そして喜びを秘めた恋を思い起こし、胸が熱くなる。ほんとに素晴らしい作品だと思う。