ドクトル・ジバゴ 作品情報

どくとるじばご

19世紀末のロシア。ユーリー・ジバゴ(オマー・シャリフ)は、医学の勉強を続けるかたわら詩人としても知られるようになった。幼い頃両親を失い、科学者グロメーコにひきとられた彼は、その家の娘トーニャ(ジェラルディン・チャップリン)を愛していた。2人の婚約発表のパーティーの日、近所の仕立屋の娘ラーラ(ジュリー・クリスティー)は、弁護士コマロフスキーの誘惑から逃れるため、彼に発砲するという事件を起こした。彼女は帝政打倒の革命に情熱をもやす学生パーシャ(トム・コートネイ)を愛していた。1914年、ロシアは第1次大戦に突入し、ジバゴは医師として従軍した。戦場で看護婦として働らくラーラに再会した彼は、彼女がすでにパーシャと結婚したのを知り、自分もまた家庭を持っていたが、ラーラへの愛をどうすることもできなかった。それにパーシャは戦死したとの報告も入っていた。その頃ロシアは内戦が激しくなり、ジバゴはモスクワの家族のもとへ帰った革命軍の手に帰したモスクワは、飢えと物資の不足にあえいでいた。ジバゴが革命軍のリーダーで、義兄のエフグラフ(アレック・ギネス)に初めて会ったのはその頃だった。義兄の勧めもあって、田舎で休養することにした彼は、旅の途中で白軍のスパイと間違えられ、赤軍の将校に尋問された。この将校は、戦死と報じられていたパーシャだった。彼は変わりはて、今や革命への狂信以外、何もない男になっていた。ラーラとの愛も再燃した田舎での生活、ジバゴにとっては幸せの日が続いたが、ある日突然、彼はパルチザンの1隊にとらえられた。妻に2人目の子供が生まれると知り、ラーラと別れる決心をした直後のことだ。しかし彼は脱走し、ラーラのもとに帰ったが、2人の関係を知った妻が、子供をつれて、パリに亡命したと告げられた。今や亡命者の夫となったジバゴと、すでに追放の身となっていたパーシャの妻ラーラの前に、コマロフスキーが現れた。彼は2人に危険がせまっていると再三話し、ついに身重のラーラをつれて極東に去った。8年後、ジバゴはモスクワの市街電車の中でラーラを見かけ必死に追ったが、かねてわずらっていた心臓発作で倒れ亡くなる。何年か過ぎた。エフグラフはダムの建築現場で働く若い娘(リタ・トゥシンハム)に出会った。彼女は、ジバゴとラーラの間にできた私生児だ。彼は両親のことを話してきかせ、ジバゴの詩集を贈りこう言った。「彼の仕事は党には容れられなかったが、詩を愛する人は彼を忘れない。彼ほど詩を愛した者はいなかった」と。

「ドクトル・ジバゴ」の解説

ボリス・パステルナークの小説を、「アラビアのロレンス」のロバート・ボルトが脚色、同じく「アラビアのロレンス」のデイヴィッド・リーンが監督した、ロシア革命を背景に1人の男の生涯を描いた文芸篇。撮影はフレッド・A・ヤング、音楽はモーリス・ジャール、美術監督はテレンス・マーシュとジョン・ボックス、装置はダリオ・シモニ、衣裳デザインはフィリス・ダルトン、特殊効果はエディ・フォーリー、第2班監督はロイ・ロソッティが担当した。出演は「アラビアのロレンス」のオマー・シャリフ、「ある晴れた朝突然に」のジェラルディン・チャップリン、「ダーリング」で38回アカデミー女優主演賞をとったジュリー・クリスティ、「クロスボー作戦」のトム・コートネイのほかにアレック・ギネス、シオバン・マッケナ、ラルフ・リチャードソン、リタ・トゥシンハムなど。製作は「クロスボー作戦」のカルロ・ポンティ、製作企画は「人間の絆」のジョン・ボックス。なおこの作品は、第38回アカデミー賞の、5部門(脚色賞、色彩撮影賞、色彩美術賞、色彩衣裳デザイン、オリジナル作曲賞)で受賞。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督デイヴィッド・リーン
原作ボリス・パステルナーク
出演オマー・シャリフ ジュリー・クリスティ ジェラルディン・チャップリン ロッド・スタイガー アレック・ギネス トム・コートネイ シオバーン・マッケンナ ラルフ・リチャードソン リタ・トゥシンハム Jeffrey Rockland Tarek Sharif Berard Kay クラウス・キンスキー ジェラール・ティチー Noel William ジェフリー・キーン エイドリアン・コリ ジャック・マクガウラン マーク・エデン Eric Chitty Roger Maxwell Wolf Frees グウェン・ネルソン Lucy Westmore Lili Murati Peter Madden
配給 MGM
制作国 イギリス アメリカ(1965)
上映時間 197分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、3件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2018-04-30

そして1945年の本デビット・リーン監督の名篇が〈逢いびき〉何だ…。此れはノエル・カワード原作でラフマニノフの曲が効果的で在る種の不倫ドラマだけれど、普段妻の事を余り気に掛けていない夫の寛容振りも中々佳い。純愛の関係な丈に思い詰めていて、とても危険な恋の関係とも観られてヘビーな物語だった。此れも又、巨匠デビット・リーン監督らしいかな。〈インドへの道〉等にもこう言うエキセンチリックなタッチが在った。本編での恋愛シーンもそうだけど?

最終更新日:2024-11-06 17:05:33

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