リスボン物語 作品情報

りすぼんものがたり

映画の録音技師ヴィンター(リュディガー・フォーグラー)のもとにリスボンにいる監督モンロー(パトリック・ボーショウ)から助けを求める絵葉書が届く。ヴィンターは骨折した足も省みずリスボンに急行する。だが葉書に書かれた住所の家にモンローの姿はなかった。ある晩、モンローが旧式の手回しカメラで撮影したリスボンのフィルムを見るヴィンターの耳に、美しい音楽が聞こえてきた。家の一室でマドレデウスの面々がリハーサルをしていたのだ。ここは彼らの家で、彼らはモンローの映画のために音楽を作っているのだという。夜、ヴィンターはベッドのなかでモンローの書き込みがある、ポルトガルの詩人フェルナンド・ペソアの詩集を読む。彼はフィルムに音をつけるため録音機材を担いでリスボンの街を歩く。マドレデウスは南米ツアーに出発し、ヴォーカルのテレサ(テレサ・サルゲイロ)が彼に家の鍵を託す。ヴィンターはモンローのビデオカメラを見つける。彼はビデオで新しい映像の実験を始めたらしい。フィルムに音を付ける作業は順調に進み、老人(マノエル・デ・オリヴェイラ)がナレーションを吹き込んでくれた。足のギプスが取れたヴィンターは街で偶然モンローの声を耳にする。ビデオカメラを肩から背後にむけて掛けた男を尾行するヴィンター。男はやはりモンローだった。「映画百年目の映像は現実を見つめることを忘れ、人間に害をなすものになっている、映像の純粋さを取り戻すには誰の意思にも左右されない映像を撮ること、自分はそのためにファインダーすら覗かずに撮った純粋なビデオ映像を集めている」とモンローは言う。ヴィンターはビデオのレンズを塞いで音だけを録画したメッセージ・テープを作る。「君のやっていることは映像のゴミ集めだ。自分の目を信じ、人の心を動かす映像を取り戻すんだ」モンローは以前この地で撮ったSF映画の記憶が漂う軽自動車の残骸の中でこのテープを聴く。悪夢から開放されたように、彼は外に出て歩きだす。現代の“カメラを持った男 ”二人組が、手回しカメラを担いで撮影を始める。

「リスボン物語」の解説

リスボン市がモチーフの映画を、という同市の依頼にヴィム・ヴェンダース監督が応じた作品。製作はポルトガル映画界の重鎮、「階段通りの人々」のパウロ・ブランコと「時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース!」のウルリッヒ・フェルスベルク。脚本も監督が執筆し、夫人のドナタ・ヴェンダースがそれをまとめる編集に当たった。撮影は「ポケットいっぱいの涙」のリザ・リンスラー。美術は「ことの次第」でも同監督と組んだパウロ・ブランコの子息ゼー・ブランコ。編集は「時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース!」まで同監督の作品をほとんど手掛け、ドキュメンタリー映画作家としても活躍するペーター・プルツィゴッダとアンヌ・シュニーの共同。出演は同監督の常連リュディガー・フォーグラーが「時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース!」に続く5度目のフィリップ・ヴィンター役、また映画監督フリッツ・モンロー役に「ことの次第」で同じ人物を演じた「チューズ・ミー」などのパトリック・ボーショウがそれぞれ扮する。音楽は「ベルリン・天使の詩」のユルゲン・クニーパーがスコアを書き、昨今国際的な注目を集めるポルトガルの民族音楽ファドのバンド、マドレデウスが音楽を担当(オリジナルを9曲)し、彼ら自身の役で出演。ヴォーカルのテレサ・サルゲイロは本作品中の紅一点のヒロインとして華を添えている。さらに「階段通りの人々」の巨匠マノエル・デ・オリヴェイラ監督がゲストで登場している。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1995年8月26日
キャスト 監督ヴィム・ヴェンダース
脚本ヴィム・ヴェンダース
出演リュディガー・フォーグラー パトリック・ボーショウ テレサ・サルゲイロ ペドロ・アイレス・マガリャンエス ロドリーゴ・レアン ジョゼ・ペイショート ガブリエル・ゴメス フランシスコ・リベイロ ヴァスコ・セキュエラ リカルド・コラレス ジョエル・フェレイラ ソフィア・ベナルド・ダ・コスタ ヴェラ・クーニャ・ローシャ エリザベーテ・クーニャ・ローシャ カント・エ・カストロ ヴィリアト・ジョゼ・シウヴァ ジョアン・カニージョ
配給 フランス映画社
制作国 ドイツ ポルトガル(1995)

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最終更新日:2026-07-11 02:03:14

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