殺意のサン・マルコ駅 作品情報

さついのさんまるこえき

南イタリアの小さな駅サン・マルコ。夜勤の駅長をしているドメニコ(セルジオ・ルビーニ)は一見平凡でやせっぽちのまじめな青年だが、ユーモラスでロマンチストな面をもっている。退屈な駅での勤務の中で、コーヒーの滴がフィルターを通って落ちる時間=2分57秒、駅長室の壊れた巨大な戸棚の引き戸が自然に落ちる時間=1時間30分ごと、という正確なデータをとったり、ドイツ語の勉強をしたりして過ごしている。激しい雨の降るある夜、この平和な駅に美しい娘フラヴィア(マルゲリータ・ブイ)が飛びこんでくる。イブニングドレスを着た彼女の目は恐怖におびえており、すぐにローマに発ちたいと言ったが、列車は翌朝6時まで無い。人里離れたこの駅で2人は朝まで過ごすことになったが、フラヴィアも不思議に穏やかなドメニコに次第に心を開いていった。やがてフラヴィアを追って、彼女の婚約者ダニーロ(エンニオ・ファンタスキーニ)がやってきた。ダニーロは自分の事業のために実力者の娘であるフラヴィアが必要で、無理やり連れ戻そうというのだ。フラヴィアに激しく拒否され一旦は引きあげたダニーロだったが、泥酔して再び現われた彼は力づくで彼女を連れ去ろうとする。機転をきかしドメニコはダニーロを外に追い出し鍵をかけ鎧戸を降ろす。怒り狂ったダニーロは電話線を切りドメニコの愛車に火をつけ、ハンマーで駅長室のドアを破る。絶体絶命かと思ったそのとき、ダニーロの頭の上を戸棚の重い引き戸が直撃した。ドメニコが精密な記憶力を発揮し、引き戸がおちてくる時間ピッタリにダニーロをその下に立たせたのだ。気を失ったダニーロをロープでぐるぐる巻きにし、ほっとする2人。やがてローマ行きの列車が到着し、不思議な一夜をともに体験した2人は、抱き合いキスをかわした後、また別々のもとの生活に戻るのだった。

「殺意のサン・マルコ駅」の解説

イタリアで3年間のロングランを続けた舞台劇を、同じ俳優で映画化した、ユーモラスなニューウェイブサスペンス。監督、主演、脚本は、舞台でも主演を務めたセルジオ・ルビーニ、製作はドメニコ・プロカッチ、共同脚本はウンベルト・マリーノ、ジャンフィリッポ・アシオーネ、撮影はアレッシオ・ジェルシーニが担当。出演はほかにマルゲリータ・ブイ、エンニオ・ファンタスキーニほか。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1991年8月24日
キャスト 監督セルジオ・ルビーニ
原作ウンベルト・マリーノ
出演セルジオ・ルビーニ マルゲリータ・ブイ エンニオ・ファンタスキーニ
配給 俳優座シネマテン
制作国 イタリア(1990)

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最終更新日:2022-07-26 11:03:56

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