愛と王冠の壁の中に 作品情報
あいとおうかんのかべのなかに
十六世紀のはじめ、スペイン王チャアルズ一世は母のドニ・フアナ(A・バウティスタ)をトルデシリャの城に訪問したが母は全く狂人になり果てていた。王が親友のドン・アルヴァル(J・ミストラル)にその訳を問うと--何年か前、ドニャ・フアナが夫フィリップとフランダアスにいた頃、彼女の母イザベル女王の死の報せが届いた時、彼女は夫の不行跡を知った。生来嫉妬深い彼女はこれをみて怒り狂ったが、宮廷の奸臣デ・ヴェレは、この彼女の性格を利用して彼女を気狂いに陥しこみ、フィリップを王に立てようとした。そのため彼は、フィリップに新らしい寵姫アルダーラをすすめてドニャの嫉妬をかきたたせた上、更にドニャが幻覚に悩まされているとざん言した。ひそかにドニャを恋していたドン・アルヴァルは、このドニャの苦難を見、忠臣達と計って彼女を押立てようと計ったが、アルダーラの妨害によって事は進まなかった。デ・ヴェレはアルダーラにフィリップ宛の手紙を書かせて故意にドニャの手に入れさせ、ドニャが彼女を殺害しようとしてると吹きこんだ。かくてフィリップはドニャの狂気を正式に公表することとなり、ドニャはそれに対抗するためアルダーラの手紙を公判に持出したが、それはデ・ヴェレの書策によって白紙にすりかえられたので、人々は彼女をほんものの狂人と思い込むに至った。しかしその頃フィリップは病を得、ドン・アルヴァルはデ・ヴェレと決闘、以前アルヴァルを味方に引入れようと色仕掛けを使ったこともあるアルダーラは、真実の愛に目覚めて、奸臣デ・ヴェレを倒した。フィリップは死に、ドニャははじめて王位を完うすることになったが、しかし彼女はやはり夫への愛を忘れることが出来ない女だった。心ない悪臣によって全くの狂気におちた彼女は、一生彼女を裏切った夫への幻に仕える女になり果てたのであった。
「愛と王冠の壁の中に」の解説
目下スペインで人気を高めている女優アウローラ・バウティスタの主演映画で、十六世紀の宮廷悲劇を描いている。マニュエル・タマーヨとバウスのストーリーを、タマヨとアルフレド・エチェガライ、カルロス・ブランコが協同脚色、ファン・デ・オルドーニャ(「アラゴンの城塞」と同じ)が監督する。撮影はホセ・F・アグアーヨ、音楽はキンテーロの担当。主演は上述のアウローラ・バウティスタの他、フェルナンド・レイ、サラ・モンティエル、ホルヘ・ミストラル、ヘスス・トルデシーリャス、マニュエル・ルーナ、ファン・エスパンタレオンら。
公開日・キャスト、その他基本情報
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