五人の軍隊 作品情報
ごにんのぐんたい
メキシコ人ルイス(N・カステルヌオーボ)は、メシト(B・スペンサー)、オーガスタス(J・ダリー)、サムライ(丹波哲郎)の三人をつれて彼等の雇い主ダッチマン(P・グレーブス)とある集落で落合った。そこで五人は、メキシコ軍に処刑されそうになっていた革命党員を助け、村人に歓迎された。その中でもマリア(D・ジョルダーノ)は特にサムライに心を奪われた。金目当の彼等はさっそく大仕事にとりかかった。その仕事とは軍隊の護送する莫大な砂金を奪取することであった。五人のプロフェッショナルたちは、それぞれの特技--ダッチマンの頭脳、ルイスのアクロバット、メシトの列車運転の能力、オーガスタスのダイナマイト、サムライの剣--をもってまんまと獲物を手中にした。だがここで配分に関して争いが起りかけた。その時、メキシコ兵が砂金を取り返しに来た。五人は再び力を合せて、これを全滅させたが、仲間どうしの争いはもはや避けられないものとなっていた。だが、彼等の醜い争いを知らない村人の歓迎と歓声につつまれて、彼等はすべての報酬をあきらめるのだった。人は自分達の救いの神である五人の英雄を肩にかつぎあげ、いつまでも、喜びつづけていた。
「五人の軍隊」の解説
メキシコ革命にまきこまれた五人の男の活躍を描いたアクション映画。監督は「ダイヤモンド・ジャック」のドン・テーラー、脚本は「野獣暁に死す」のダリオ・アルジェントとマーク・リチャーズの協力書下し。撮影は「ガンクレイジー」のエンツォ・バルボーニ、音楽はエンニオ・モリコーネが担当。製作は「無敵の斗士」のイタロ・ジンガレリ。出演は「第7の暁」の丹波哲郎、「テキサス」のピーター・グレイヴス、「悪女のたわむれ」のジェームズ・ダリー、「野獣暁に死す」のバッド・スペンサー、「恋人たちの世界」のニーノ・カステルヌオーボ、ミス・イタリアのダニエラ・ジョルダーノなど。メトロカラー、メトロスコープ。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:ドン・テイラー
出演:丹波哲郎 ピーター・グレイヴス ジェームズ・ダリー バッド・スペンサー ニーノ・カステルヌオーボ ダニエラ・ジョルダーノ |
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配給 | MGM |
制作国 | イタリア(1969) |
上映時間 | 105分 |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、5件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-06-28
この「五人の軍隊」は、殺しと流血の暴力描写で全世界で一大ブームを巻き起こした、マカロニ・ウエスタンの痛快娯楽作ですね。
イタリア製西部劇の"マカロニ・ウエスタン"は、まがいもの、殺しと流血の暴力礼讃映画だと言われながら、本場のアメリカ映画界において、正当派の西部劇が衰退していく中で、その存在価値を全世界に広めていったのです。
映画は娯楽で、ましてや、それが西部劇ならば、派手なドンパチに残酷のスパイスをたっぷりふりかけたマカロニ・ウエスタンは、イタリア映画の重要な海外マーケットである中近東や南米、アフリカ諸国の他、本場のアメリカにまで拡散し、この国の貴重な外貨獲得の手段になったのだった。
そして、商売になるとわかったら、なりふりかまわず突き進む、イタリア通俗娯楽映画の真骨頂がここにあるのだと思います。
アメリカで言うところの、"スパゲッティ・ウエスタン"という言葉には、もの珍しさと蔑称のニュアンスが込められている気がしてならないのだが、アメリカも、その存在をもはや無視できなくなってきたことは時代の流れ、趨勢でもあったのだろう。