明日なき愛情 作品情報

あすなきあいじょう

イタリア系の米空軍少佐フランク(ガブリエレ・フェルゼッティ)は地中海での大演習に参加するため十二年ぶりにナポリに来た。大戦中フランクは欧州戦線で戦ったが、ある時愛機が撃墜され危くイタリア人一家に救われたことがあった。老地主のピエトロ、その息子ロベルト、美しい娘ノラなど、思い出の人々である。ロベルトはイタリア空軍に入っていた。着任の夜、フランクはノラ(コンスタンス・スミス)にめぐり会った。ノラは父の苦境を救うため金持の地主と結婚していたが、それは夫婦というよりは友人以上の仲を出るものでなかった。ノラの胸に嘗て抱いたフランクへの思慕がつのり、フランクもそれを察した。だがフランクには故国に妻子があった。翌朝二人はヘリコプターでカプリ島に飛んだ。二人は真実の愛を打明け時のたつのも忘れた。翌日の明け方、二人はナポリへ帰った。フランクは基地に戻った。がノラへの愛情を抑え切れず再びノラに会い二人だけの世界に生きようと打明けた。ノラは拒んだ。が彼女とて湧上る激情に遂に実家へ帰って自分の決心を父と兄に伝えた。一方フランクは大演習最後の飛行におもむいた。ジェット機編隊の猛練習中、突如フランクの機は故障、彼は落下傘で海上に降下した。この報は直ちに航空管制塔にもたらされたが、夜間のため援助作業は困難を極めた。万策つきかけた時ロベルトが捜索飛行を申出た。その頃ノラは苦悩の時を過していた。フランクの妻や自分の夫の苦しみの上に本当の幸福が築けるだろうか、と。フランクもまた救命ボートの上で妻のこと自分の立場を考えていた。やがてロベルトの機が到着、フランクは助かった。フランクは故国へ戻る前に、ノラと最後の別れを惜しんだ。生涯忘れ得ぬ愛の四日間の最後の瞬間が来た。フランクとノラは、自分たちを頼りに生きる人々のために、互いの愛の夢を捨てて去って行った。

「明日なき愛情」の解説

シネマスコープと同型式のトータルヴィジョンによるフェラニアカラー色彩の大作。第二次大戦中、イタリアに赴いた米空軍将校とイタリア娘の悲恋を描く。脚本はエルコレ・パッティ、イーヴォ・ペリッリ、ミケーレ・プリスコ、アルナルド・マルローズと四名の共同担当。監督は「失われた大陸」のジョルジョ・モーゼルが始めて劇映画にタッチする。撮影は若手のピエール・エミリオ・パヴォーニ、音楽は「水田地帯」のフランチェスコ・ラヴァニーノ。出演は、ローマ演劇アカデミー出身の若手男優ガブリエレ・フェルゼッティ、英米映画界で活躍したコンスタンス・スミスの二人をめぐり、「街は自衛する」のファウスト・トッツィ、名優アルド・ファブリッツイなど。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督ジョルジョ・モーゼル
出演ガブリエレ・フェルゼッティ コンスタンス・スミス ファウスト・トッツィ アルド・ファブリッツィ ペッピノ・デ・フィリッポ ティーナ・ピカ
配給 イタリフィルム=NCC
制作国 イタリア(1956)

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最終更新日:2022-07-26 11:03:57

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