不良少女モニカ 作品情報

ふりょうしょうじょもにか

春のストックホルム。下町の瀬戸物店で配達係をしている青年ハリイ(ラルス・エクボルイ)は、モニカ(ハリエット・アンデルソン)という十七歳の少女と知り合った。彼女は家庭的にめぐまれず、いつか不良の世界に足をつっこんで、奔放な生活をおくっていた。しかし彼女も少女らしい青春の夢を抱いており、純真なハリイのような男こそ、その夢をみたしてくれるものと信じた。一方、ハリイは父と二人暮しで、瀬戸物店では同僚の大人たちに冷く扱われ、弧独な日々をおくっていた。だからモニカとの仲は急速に接近して行った。モニカはある夜、酔って帰った父と口論して家をとび出し、ハリイの許に走った。ハリイは自分も家をとび出し、彼女と二人きりで父の持つモーターボートの中で暮そうと決心した。二人は、狭い船室で恋の喜びに身をまかせた。翌朝、ハリイは寝すごしたために店をクビになったが、これで彼を束縛するものはなくなった。二人は、初夏の多島海へ向ってモーターボートを駆った。かれらは島から島へと奔放な生活をつづけ青春の喜びに浸った。そのうちモニカは妊娠し、未来の幸福な結婚を夢みた。ある日、以前モニカとつきあっていたレッレという不良が、二人のモーターボートをおそい、かえって、ハリイにうちのめされてしまった。やがて二人は食糧不足に苦しむようになり、モニカはある別荘に食べ物をぬすみに行った。このときハリイが臆病な態度をとったことから、二人の仲は気まずいものになった。ハリイの内気な性格とモニカの奔放な性格とは結局相容れぬものだった。ストックホルムに帰った二人は、ハリイの伯母の世話で結婚し、モニカは女の子を生んだ。ハリイは工場に職を得て真面目に働きはじめた。しかしモニカは終日赤ん坊と暮す貧乏な生活には堪えられず、ふたたび以前の不良とつきあいはじめた。ハリイは彼女と離婚し、子供をひきとって自分で育てようと決心した。

「不良少女モニカ」の解説

「愛欲の港」のイングマール・ベルイマンが脚色・監督にあたったスウェーデンの青春映画一九五三年作品。原作はペル・アンデルス・フォゲルストレームの小説で、撮影はグンナール・フィッシャー(「愛欲の港」)、作曲はエリク・ノルドグレン。主演は新人のハリエット・アンデルソンとラルス・エクボルイで、ジョン・ハリソン、ダグマー・エベッセン、オーケ・フリーデルが助演。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督イングマール・ベルイマン
原作P・A・フォゲルストレーム
出演ハリエット・アンデルソン ラルス・エクボルイ ジョン・ハリソン ダグマー・エベッセン オーケ・フリーデル Naemi Briese
配給 新東宝=映配
制作国 スウェーデン(1953)

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-01-24

フランソワ・トリュフォー監督が映画大人は判ってくれないでオマージュを捧げて居ると云う本篇は,トリュフォー作のその有名なラストシーンでもイングマール・ベルイマン監督の本作とオーバーラップするね

最終更新日:2024-02-03 16:00:01

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