P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-08-19
アラン・ドロンの訃報を聴いて最近観たフィンランド映画・枯れ葉アキ・カウリスマキ監督の中で若きドロンが大きな役を演じる本篇ポスターが登場して居るワンシーンが眼に浮かんで来だ。ルキノ・ヴィスコンティ監督の大作・山猫でのタンクレデイ役,アラン・レネ監督作・太陽は一人ぼっちの証券市場取引役,アンリ・ベルヌイユ監督リスボン特急,他映画冒険者たち等等多くの巨匠監督作品にも恵まれた人生何だ
わかもののすべて
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アラン・ドロンの訃報を聴いて最近観たフィンランド映画・枯れ葉アキ・カウリスマキ監督の中で若きドロンが大きな役を演じる本篇ポスターが登場して居るワンシーンが眼に浮かんで来だ。ルキノ・ヴィスコンティ監督の大作・山猫でのタンクレデイ役,アラン・レネ監督作・太陽は一人ぼっちの証券市場取引役,アンリ・ベルヌイユ監督リスボン特急,他映画冒険者たち等等多くの巨匠監督作品にも恵まれた人生何だ
そしてアニー・ジラルド×ルキノ・ヴィスコンテイ監督コンビで中年の大女優の赤裸々な姿を描き出したのがオムニバス作品〈華やか魔女たち〉の第1話『疲れはてた魔女』だ
💃本篇の原案・シナリオのスーゾ・チェッキ・ダミーコがメリメのカルメンを脚色アレンジした映画がフランコ・ネロ主演の〈裏切りの荒野〉
ミラノ駅に上京して起こる家族の対立・不和の第1エピソードから激しく引き込まれる…。本ルキノ・ヴィスコンテイ監督の主題は或る意味で小津安二郎監督の「東京物語」と同じく家族の崩壊劇なのかも知れない
高校時代にルキノ・ヴィスコンテイ監督の映画〈夏の嵐〉を東京・九段のイタリア文化会館で観た。英字幕だったのでクラスメイトは途中で退席して仕舞い悪い事をしたと反省した事がー。映研の先輩は好きでは無いと言っていたし…。でもオペラの如き其のdramaticなストーリー展開は今でも目に焼き付いている。本編の激烈な愛憎劇も其の点で共通しているのだ🎵ニーノ・ロータの曲にも心が震える🤼
スターチャンネルで本編4K版を改めて視ると〈家族の肖像〉で再現される様な部屋の骨董趣味の絵画や彫像、ピンナップ写真からTV画像としての美術番組等迄、入念な小道具がコラージュされている事が分かる…。其れらは兄弟の性格別けや時代を象徴するもの何だろう。ラストシーンには街頭の壁面に試合の勝者ロッコことアラン・ドロンの写真掲載の紙面が何枚も何枚も貼られ、懐かしむ様に少年の手が其の頬を掴み足取りは軽かった…。
早稲田松竹のルキノ・ヴィスコンティ監督特集で友人は本編を一番好きな作品と言う。アラン・ドロン扮する主人公のロッコと其の家族の物語。一種の群像劇で、ドキュメンタリータッチの〈揺れる大地〉の続篇に当たるのだろう。各断章に兄弟の名前が振り分けられ各々の生き方、人生が語られる。或意味でF.F.コッポラ監督の〈ゴッドファーザー〉を先取りして濃密な家族の絆や家族の崩壊過程が炙り出されている。