灰とダイヤモンド 感想・レビュー 2件

はいとだいやもんど

総合評価5点、「灰とダイヤモンド」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-09

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

アンジェイ・ワイダ監督の代表作である「灰とダイヤモンド」は、ソ連軍によるポーランド解放に際して、レジスタンスの反主流派であった、自由主義派の失望と幻滅を背景に、テロ行為に走る青年を描いた作品だ。

ズビグニエフ・チブルスキーが演じたマチェックも、そうした若者のひとりで、ソ連からやって来る新政府要人の暗殺を計って、それを実行するが、やがて衛兵に発見されて、ゴミ捨て場で射殺されて死ぬ。

戦時中、必死になって抵抗運動に参加した若者が、なぜか戦後は時代の流れから外れ、ニヒルな脱力感を抱えて死んでいく姿が、観る者の胸を打つのだ。

主演のズビグニエフ・チブルスキーは、ポーランドのジェームズ・ディーンと言われて人気を博したが、ディーン同様に、その後、事故のため急死している。

彼は自らマチェックであったのかもしれない。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2018-03-19

本編マチェック役のチブルスキーが実際に列車事故死で亡く為った哀しみをアンジェイ・ワイダ監督は映画〈すべて売り物〉の中で回想した…。其の上映会は新宿紀伊國屋ホールで行われワイダ友人の〈キューポラのある街〉の浦山監督の記念講演も在ったと記憶している。同氏はポランスキー監督等を例に出しながら国民的なポーランド監督へのオマージュを込めて語っていた。映画自体は車窓の夕景が美しく追悼のメッセージが其処にも込められていたので在った…。抵抗三部作の一篇の本編は名画座等でも暫し上映されて来たポーランド映画の代表作で映画史上の金字塔。

最終更新日:2023-12-19 16:00:01

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