野性の男 作品情報
やせいのおとこ
十八世紀後半、ブラジル東北部にガルディーノ(ミルトン・リベイロ)を首領とする“カンガセイロ(山賊)”と呼ばれる無法の一団があった。或る日例の如く町を襲ったガルディーノの一団は掠奪暴行をほしいままにして町を荒した。ガルディーノは学校に隠れていた女教師オリヴィア(マリサ・プラドー)の知性と美しさに惹かれ、彼女を山塞へ連戻った。副首領テオドロ(アルベルト・ルッシェル)もまたオリヴィアの清純さにうたれ、ひそかに彼女を訪れて山塞から逃がしてやるというが、彼女は冷く見返すだけだった。その夜、テオドロは番兵を買収し、オリヴィアを連れて山塞を脱出した。そのころ、町では義勇隊を組織して大挙山塞を目指して討伐に向っていた。一方、ガルディーノも二人の脱出を知って嫉妬と怒りに燃え、直ちに追跡を開始した。幾日か、苦しい逃避行を続けるうち、オリヴィアは次第にテオドロを愛するようになっていた。テオドロも勿論彼女を愛していたが、同時に仲間を裏切った責任と原野への不思議な愛着をも忘れることができなかった。そして二人の逃避行はつづく。義勇隊の進撃を知ったガルディーノは、これを待伏せて全滅してしまった。ガルディーノの放った偵察は二人をついに発見した。最後が近づいたと知ったテオドロは、町へ通ずる一本道に出たときオリヴィアを一人町へ逃れさせ、自分は岩間に潜んでガルディーノをむかえ撃った。第一弾はガルディーノに命中した。烈しい銃撃戦ののち、一夜明け、弾丸つきたテオドロはついに捕えられた。重傷を負ったガルディーノはもう怒ってはいなかったが、仲間の掟は守られねばならぬ。刑は千ヤード離れて歩くテオドロに背後から全員が撃つことに決った。テオドロは、オリヴィアが町へ走った一本道に立ち、静かに歩いた。轟然と全員の発射音がとどろき、全員の弾丸をうけたテオドロは大地に倒れた。
「野性の男」の解説
一九五三年カンヌ映画祭で優秀活劇映画賞と特別音楽賞を得たブラジル、ヴェラ・クルース・プロ一九五二年作品。リーマ・バレットが原作脚色監督に当り、ロナルド・テイラーが撮影、ガブリエル・ミグリオリが音楽を担当した。出演者はアルベルト・ルッシェル、マリサ・プラドー、ミルトン・リベイロ、ヴァンジャ・オリーコらである。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:リーマ・バレット
原作:リーマ・バレット 出演:アルベルト・ルッシェル マリサ・プラドー ミルトン・リベイロ ヴァンジャ・オリーコ Ricardo Campos Adonira Barbosa Neusa Veras Ze Do Norte |
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配給 | コロムビア=北欧 |
制作国 | ブラジル(1952) |
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