相続人(1973) 作品情報
そうぞくにん
国際的プレイボーイとして名をはせたバート・コーデル(J・P・ベルモンド)は、ある日突如、母国フランスに呼び戻された。バートは、フランスで新聞と鉄鋼会社を経営しヨーロッパ全土に影響力を持つ財界の大物ユーゴ・コーデルの一人息子だったが、父親の反対を押しきってイタリア財界の大物ガラジの娘ジョバネラと結婚したため、父親の怒りを買って会社のアメリカ代表という肩書で体よくアメリカに島流しされていたのだ。ところが、最近両親がジュネーブからパリに向う途中、飛行機事故によって急死したため、急拠帰国することになったのだ。バートは機内で男好きのする女ローレン(M・カーウィン)に誘惑され、ベッドを共にする。ローレンはバートが油断したすきに、荷物の搭載券を彼のポケットに忍び込ませた。それは麻薬入りの鞄の搭載券でそのため彼は税関で麻薬不法所持の疑いをかけられた。空港にはコーデル社の筆頭重役ベルチェ(J・ロシュフォール)をはじめ、首脳陣が出迎えた。一行は貨切車で両親の柩が安置されるリオンに向い、バートは精力的に車内で理事会に開いた。同時に、その席で美人発行部長のリザ(C・グラビナ)に近づくことも忘れなかった。列車がやがてリオンに到着し、柩の前に立ったバートは両親の死は他殺ではないかとの疑問を抱いた。パリに戻ると、ニューヨークから同行していた腹心の部下、というよりも友人のダビッド(C・デネ)が、機内で罠を仕掛けたローレンの正体をつきとめていた。彼女はバートの買収に何なくのり、依願主はマイヤールという弁護士であることを告白する。翌日、重役達が召集された。席上、バートは週刊誌グローブの体裁、内容を大幅に変えるという方針に打ち出し、彼らを唖然とさせた。会議のあと、バートは問題の人物マイヤールに呼び出され、会った。用件はコーデルの企業を全部買収したいということだった。もちろんバートは断った。その夜、彼はリザとベッドを共にした。両親の埋葬式の前日、飛行機の整備に当った整備士が何者かの手によって殺された。さらに埋葬式の帰り、バートの車の制動がきかなくなり、車は大破した。事故が起こったとき、バートはグローブ誌の記者デルマス(P・グラセ)から、父親が依頼したある調査の結果を聞くため同乗しなかったので危うく難に逃れた。明らかに何者かがバートを殺そうとして車に細工したのだ。彼はニューヨークの妻に電話し、息子を連れてローマにくるようにすすめた。その後、デルマスのアパートを訪ねた彼は驚くべき事実を聞いた。それは父の王国の買収をこころみる国際資本の黒幕は、戦時中ナチの協力者で、今もネオ・ファシストとしてナチの抬頭を夢見ているバートの義父ガラジだということ、そして両親の乗った飛行機に細工し事故死させたのもガラジであるということだ。この調査結果は、バートの推理とも一致していた。デルマスはそれを立証する証拠は既に父親に渡してあるという。そこでバートはその黒い陰謀を彼の週刊誌で暴露するためデルマスに事実を記事にするよう頼むとパリに戻り証拠書類の発見にかかった。それは、父のバラ園からマイクロ・フィルムとして発見された。これで完壁な証拠が揃い、デルスマの記事を印刷すればいい。その後、ローマに着いた妻から電話がかかってきた。が、そのことから妻もガラジの一味であると断定せざるをえない状況が出現した。そこでバートは息子のヒューゴを妻のもとから奪う決心をして、ダビッドと共にガラジの邸に忍び込み、ヒューゴを連れ出すことに成功した。しかしパリの空港に着いて間もなくロビーで待ち伏せていた数人の殺し屋の銃弾によって、父親と同じ運命を辿った。
「相続人(1973)」の解説
ある世界的な財産の御曹子が父の謎の死によって捲き込まれる陰謀を描く。製作はジャック・エリック・ストラウス、監督は「刑事キャレラ 10+1の追撃」で監督にデビューしたフィリップ・ラブロ、脚本はラブロとジャック・ランツマン、撮影はジャン・パンゼル、音楽はミシェル・コロンビエ、編集はクロード・バロウが各々担当。出演はジャン・ポール・ベルモンド、カルラ・グラヴィーナ、モーリン・カーウィン、ジャン・ロシュフォール、シャルル・デネール、ミシェル・ボーヌ、ジャン・マルタン、モーリス・ガレル、ピエール・グラセなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1973年11月3日 |
---|---|
キャスト |
監督:フィリップ・ラブロ
出演:ジャン・ポール・ベルモンド カルラ・グラヴィーナ ジャン・ロシュフォール シャルル・デネール ミシェル・ボーヌ ジャン・マルタン モーリス・ガレル |
配給 | 20世紀フォックス |
制作国 | フランス(1973) |
上映時間 | 112分 |
ユーザーレビュー
レビューの投稿はまだありません。
「相続人(1973)」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。