歓びの毒牙(きば) 作品情報
よろこびのきば
作家サム・ダルマス(T・ムサンテ)は頭を休めるため風光明媚なイタリアへやってきた。そこでありついた仕事の原稿料を受けとってアパートへ帰る途中、ある画廊で男女が格闘しているのを目撃した。女を助けようとしたサムは男をとり逃し、逆に嫌疑がかかって旅券をとり押えられた。刺された女モニカ(E・レンツィ)は画廊のラニエリ(E・M・サレルノ)の妻で、命に別条はなかったが四人目の犠牲者であった。そして不思議なことに四人ともブロンドばかりであった。疑いのはれたサムはガールフレンド、モビタ(S・ケンドール)に会い、事件の模様を話した。不審な点の多い事件が続き、サムは本格的自主捜査に入った。その間にも第5番の事件が起りサムは二度も奇妙な服装をした男に襲われた。たった一つ掴んだ手がかりは無気味な鳥の鳴声であった。帰国の予定も六番目の殺人で変更したサムは、鳥類学者ドーバーから珍らしい鳴声の鳥はローマの動物園にいる羽が水晶のように透きとおった珍鳥らしいと聞いた。この奇鳥の大きな鳥篭のすぐ後に壁があり、その向うのアパートにはラニエリ夫妻が住んでいた。乗り込んだサムは、ナイフを手に妻のモニカを殺そうとするラニエリをみた。気を失ったモニカはドーバーとモビタに救い出され、ラニエリは窓からとび降り自殺した。突然姿を消したモニカを追ったサムは無惨に殺されたドーバーとモビタを発見した。犯人はモニカだったのだ。最初の格闘はサムの見誤りだった。モニカは逮捕された。彼女は十数年前、醜悪な暴漢に襲われ、恐怖のあまり発狂し、そのあと見た女が男を殺す光景の絵に引き込まれるように、ブロンドの女を殺し始めたのだった。
「歓びの毒牙(きば)」の解説
旅先で謎の連続殺人事件にまきこまれた男の冒険を描くサスペンス・スリラー。製作はサルヴァトーレ・アルジェント、監督・脚本はダリオ・アルジェント、撮影はヴィットリオ・ストラーロ、音楽はエンニオ・モリコーネ、編集はフランコ・フラティチェリが各々担当。出演は「ある戦慄」「ラスト・ラン」のトニー・ムサンテ、「密室」のスージー・ケンドール、エンリコ・マリア・サレルノ、エヴァ・レンツィなど。日本語版監修は野中重雄。テクニカラー、クロモスコープ。2024年11月8日より「ダリオ・アルジェント 動物3部作」にて上映。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1971年10月26日 |
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キャスト |
監督:ダリオ・アルジェント
出演:トニー・ムサンテ スージー・ケンドール エンリコ・マリア・サレルノ エヴァ・レンツィ ウンベルト・ラホ レナート・ロマノ ジュゼッペ・カステラーノ マリオ・アドルフ ヴェルナー・ペータース |
配給 | フォックス |
制作国 | イタリア(1969) |
上映時間 | 99分 |
公式サイト | https://animal-trilogy.jp/ |
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ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-07
この映画「歓びの毒牙」は、ダリオ・アルジェント監督のデビュー作で、フレドリック・ブラウンの小説「通り魔」を下敷きにしたミステリー映画だ。
彼が、イタリアのヒッチコックと呼ばれる引き金となった作品でもある。
事件を目撃した作家が、連続殺人に巻き込まれていく。
その後のアルジェント監督の映画に、数多く登場する黒手袋の犯人が、この作品にすでに登場している。
殺人シーンは、「私が一番うまい」と自ら演じている。
尚、この映画の原題は、水晶の羽を持つ鳥だ。