コニャックの男 作品情報
こにゃっくのおとこ
一八世紀末、革命の嵐吹き荒れるフランスから密航でアメリカに渡ったニコラ・フィリベール(J・P・ベルモンド)は、5年後の今日、大富豪のアーサー・デビッドソンの一人娘との挙式を迎えた。式中、ニコラの既婚を主張する声が出た。事実彼はフランスで結婚していた。ニコラはデビッドソンの船に穀物をたっぷり積み込み、離婚の承認を得るため、フランスの港へ入った。ニコラの積荷を自軍への救援物質と感違いし革命軍はニコラを英雄扱いしてパーティーを開いた。ドンチャン騒ぎを脱出したニコラは、妻シャルロット(M・ジョベール)の父親ゴスラン(P・ブラッスール)からシャルロットの居所を聞き出した。妻が一緒にいるというゲランド侯爵(S・フレー)の妹ポーリーヌは王党派の女闘士で、ニコラにまるで取りあわない。その夜の革命派パーティーに現われた歌姫を見てニコラは驚いた。ポーリーヌである。革命軍指導者を狙うポーリーヌをとり押えたニコラは、彼女が美人だからと簡単に縄を解き、ニコラまで革命派に追われるはめになった。革命軍の英雄とされていたニコラは王党派に捕えられたが、ポーリーヌの命の恩人ということで、逆に王党派の英雄になってしまった。ポーリーヌの属する一団の指揮者こそ、妻シャルロットを伴っているというゲランド侯爵だった。六年ぶりの再会に驚きのあまりに気絶したシャルロットの寝室に忍んだニコラは外の気配でベッドの下に隠れると、王党派総指揮者の大公がシャルロットの寝室へやって来た。大公はシャルロットに惚れていた。大公の歓迎会パーティーの席上、侯爵がシャルロットとの婚約を発表しようとする先手を打ってポーリーヌがニコラとの結婚の意志表示をした。ポーリーヌを秘かに想う大尉は怒り、侯爵の婚約発表に、大公も不機嫌になり、宴が進むうち酔いのまわった人たちの喧嘩が始まって大騒ぎとなった。上気嫌のシャルロットに真相を打ち明けたニコラは、突然現われた大公に狙われるが、シャルロットは大公との結婚を承諾してニコラを救い、離婚は成立した。ニコラは船でアメリカに戻ろうとしたが、突然、思い直して海へ飛びこんだ。岸に泳ぎついたニコラは、ドイツに向った大公とシャルロットを追って革命軍と王党軍があいまみえる戦場に辿り着いた。またまた革命軍の英雄にまつり上げられたニコラを見て、商人に化けて旅をしていた大公は王党軍の陣に入り、革命軍と激突した。ニコラのめざましい活躍で革命軍は大勝利をおさめた。数年後ニコラはフランス植民地の大公だった。その脇には大公妃としてシャロットがいた。二人は相変らず喧嘩をしていた。
「コニャックの男」の解説
動乱のフランス革命にまきこまれた男と女のコメディ・アクション。製作はアラン・ポワレ、監督は「城の生活」のジャン・ポール・ラプノー、脚本はラプノーのほか「墓場なき野郎ども」のクロード・ソーテ、モーリス・クラヴェル、ダニエル・ブーランジェの共同執筆、撮影はクロード・ルノワール、音楽はミシェル・ルグランが各々担当。出演は「暗くなるまでこの恋を」のシャン・ポール・ベルモンド、「雨の訪問者」のマルレーヌ・ジョベール、ラウラ・アントネッリ、ミシェル・オークレール、サミー・フレー、ピエール・ブラッスールなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1971年11月6日 |
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キャスト |
監督:ジャン・ポール・ラプノー
出演:ジャン・ポール・ベルモンド マルレーヌ・ジョベール ラウラ・アントネッリ ミシェル・オークレール サミー・フレー ピエール・ブラッスール |
配給 | ヘラルド |
制作国 | フランス=イタリア(1971) |
上映時間 | 98分 |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-02-20
本篇出演のマルレーヌ・ジョベールが鮮烈な印象を残すヒロインを演じるのがクロード・シャブロル監督,エラリー・クイーン原作の映画〈十日間の不思議〉´71。オーソン・ウエルズ,アンソニー・パーキンス,ミッシェル・ピコリらとの夢の共演