痴情の森 作品情報
ちじょうのもり
空想家アルベルト(J・ソレル)は人生を恐れ、とりわけ死を恐れている。病気の兄の死の苦しみを見るにつけ彼は家を飛び出したい衝動にかられるのだ。兄の死にめを見たくない彼は女ができた事を口実に家を出る。この女とは偶然女同志が電話しているのを聞いた時の女で名はクラウディア(C・スパーク)といった。彼女は普通の女であったがアルベルトは複雑な女であることを望んだ。そんな二人にとって恋愛、SEXは二義となりプラトニックなものに浸った。クラウディアは複雑な女に仕立てあげられ、自からもそれを喜んだ。ある時彼女のバッグに拳銃を発見したアルベルトは殺意の相手は誰か尋ねたが彼女の答えは思わせぶりなものであった。相手は?グレタ(F・ボルカン)なのか、グレタとはクラウディアの電話の相手の女である。殺す理由は?動機は?その後クラウディアとグレタの偶然の二度の出会いがアルベルトに二人の関係を打ち明けさせた。グレタはクラウディアの亡父の後妻で、義母であった。クラウディアは今迄に受けた恥辱と酷辱に対しグレタに復讐したいとアルベルトに打ち明けた。そんなある日彼女はアルベルトとグレタを訪ねた。彼は何かを期待したが何も起らなかった。突然クラウディアは彼の許を去りグレタの家に身を寄せた。判然としない彼はクラウディアをたずね理由を聞いても彼女はグレタと居たいからだと云った。アルベルトはその帰りに見かけたグレタにふと殺意を抱き、逃げる彼女を轢殺しそのまた逃げ帰った。その後アルベルトとクラウディアは、再び会うようになったのだが彼女は別の男との結婚を云いだした。アルベルトは彼女に頼まれたようにグレタを殺したと云うのだが彼女は組手にしなかった。別れ、そして結婚したクラウディアに会いに行き、その度に夫に侮辱され虐待されるアルベルトはとうとう精神が狂いだし、友達といるときにクラウディアを見かけると、いつも口走るのだった。「あそこに女がいるだろう?彼女はボクに人殺しを頼んだけど、ボクはそんな大外れたことはしない……」と。
「痴情の森」の解説
美女に操られ、ついには理性を失って殺人を犯し、果てに発狂する夢多き男の悲劇を描く。製作はジョルジョ・アグリアニ、監督は「シシリアの恋人」のダミアーノ・ダミアーニ、アルベルト・モラヴィアの小説をダミアーノ・ダミアーニとウンベルト・ツルコが脚色、撮影はロベルト・ジェラルディ、音楽はファビオ・ファボールが各々担当。出演は「女性上位時代」のカトリーヌ・スパーク、「昼顔」のジャン・ソレル、「ベニスの愛」のフロリンダ・ボルカン、ルイジ・プロイェッティなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1971年9月18日 |
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キャスト |
監督:ダミアーノ・ダミアーニ
原作:アルベルト・モラヴィア 出演:カトリーヌ・スパーク ジャン・ソレル フロリンダ・ボルカン ルイジ・プロイェッティ |
配給 | フォックス |
制作国 | イタリア(1971) |
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