バルタザールどこへ行く 作品情報
ばるたざーるどこへいく
ピレネーのある農場の息子ジャック(W・グレェン)と教師の娘マリー(A・ヴィアゼムスキー)は、ある日一匹の生れたばかりのロバを拾って来て、バルタザールと名付けた。それから十年の歳月が流れ、いまや牧場をまかされている教師とマリーのもとへ、バルタザールがやって来た。久しぶりの再会に喜んだマリーは、その日からバルタザールに夢中になってしまった。これに嫉妬したパン屋の息子ジェラール(F・ラフアルジュ)を長とする不良グループは、ことあるごとに、バルタザールに残酷な仕打ちを加えるのだった。その頃、マリーの父親と牧場王との間に訴訟問題がもち上り、十年ぶりにジャックが戻って来た。しかし、マリーの心は、ジャックから離れていた。訴訟はこじれ、バルタザールはジェラールの家へ譲渡された。バルタザールの身を案じて訪れて来たマリーは、ジェラールに誘惑されてしまった。その現場をバルタザールはじっとみつめていた。その日から、マリーは彼等の仲間に入り、バルタザールから遠のいて行ってしまった。もめていた訴訟に、マリーの父親は、敗れたが、ジャックは問題の善処を約束、マリーに求婚した。心動かされたマリーは、すぐにジェラールたちに話をつけに行ったが、仲間四人に暴行されてしまった。その日から、マリーの姿は村から消え、父親は落胆のあまり、死んでしまった。一方バルタザールは、ジェラールの密輸の手伝いをさせられていた。しかし、ピレネー山中で税関員にみつかりバルタザールは逃げおくれ、数発の弾丸をうけてしまった。翌湖、ピレネーの山かげを朝日が染めるころ、心やさしい羊の群の中に身を横たえ、バルタザールは静かに息をひきとるのだった。
「バルタザールどこへ行く」の解説
バルタザールと名付けられた一匹のロバを主人公に、人間の本能と罪悪を追求した作品。監督・脚本・脚色・台詞は「ジャンヌ・ダルク裁判」のロベール・ブレッソン。撮影はギスラン・クロケ、美術はピエール・シャルボニエがそれぞれ担当。音楽はフランツ・シューベルト、ジャン・ヴィーネ。出演者は、ブレッソン作品の例にもれず、すべて素人で、「中国女」のアンヌ・ヴィアゼムスキーはこの作品でデビュー。他にフランソワ・ラファルジュ、フィリップ・アスラン、ナタリー・ジョワィヨー、ヴァルテル・グレェン。一九六六年ベネチア映画祭審査員特別賞受賞。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1970年5月2日 |
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キャスト |
監督:ロベール・ブレッソン
出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー フランソワ・ラファルジュ ナタリー・ジョワィヨー フィリップ・アスラン ヴァルテル・グレェン |
配給 | ATG |
制作国 | スウェーデン フランス(1964) |
上映時間 | 95分 |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2018-09-19
一切の説明的を排して語られるバルタザールの残酷な運命は叙事詩そのもの!ロベール・ブレッソン監督の現代的な視座が牧歌風景の中で紡がれる。剥ぎ取られたアンヌ・ヴィアゼムスキーの後ろ姿も印象深くー