P.N.「緑の梢」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2020-07-23
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最後に一番可愛がってくれた祖母が亡くなっても気づかず、兄弟が遺体を放置したのが痛々しかった。
どうねんおうじときのながれ
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最後に一番可愛がってくれた祖母が亡くなっても気づかず、兄弟が遺体を放置したのが痛々しかった。
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この作品は決して美化されたものではなく、リアリズムである。初めの縦分割の画面、後方の緑の硝子の煌めきが美しく、ハッとした。次に侯監督自身のモノローグで生い立ちを語る。日本式の家屋なので、障子、襖、畳があり、縦分割、額縁分割が多くて凄かった。家の前の大木は思い出の象徴だろう。ビー玉を隠す時のアハの影が上手く映りこんでいた。父親の死後、兄弟が順番に手を握り泣く場面が自然で良かった。中学生(高校生?)のアハは、喧嘩ばかりしているが、病気の母親の代わりに弟達の面倒をみなければならない。忙しいアハと対照的に、弟は生卵を右手に持ちつつ筆を持って習字に励む。母親の葬式では「清しこの夜」の旋律で讃美歌が歌われたので、母親はクリスチャンだったのだろう。アハを一番可愛がった祖母の死後、遺体を放置していたので、葬儀屋に睨まれた。最後も侯監督のモノローグに終わる。良く出来た傑作だと思った。