P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2023-11-19
まだハイジャックを題材とした映画が珍しかった1974年の作品のため、展開はのんびりしているが、陰謀自体はいかにもイギリス人が考えそうなものになっている。
SASが突入したら、すぐ解決しそうな事件だが、もちろん、そんなに簡単にいかない事情があるのだ。
非情で官僚的なイギリスのやり方に反発を覚え、あくまでも警察官としての正義感で事件に取り組む、ショーン・コネリー演じるノルウェーの保安部長タルビック大佐の姿には、どうしても、ジェームズ・ボンド役に嫌気がさして、シリーズを降板したコネリーの姿がだぶってしまう。
今だったら、イギリス側のプランを肯定的に描くのだろうけれど、それを否定するのがコネリーというところが肝なのだ。
そういった事情で、コネリーの派手なアクションは一切なし。
監督は、フィンランド出身のキャスパー・リードだが、基本的にはイギリス映画なのだ。
ハイジャック犯には、曲者俳優のイアン・マクシェーン、音楽は大御所のジェリー・ゴールドスミスが担当している。