ゲット・ショーティ 作品情報
げっとしょーてぃ
マイアミの取立屋、チリ・パーマー(ジョン・トラヴォルタ)は、「セルピコ」でアル・パチーノが着ていたのと同じ革のコートを持つほどの映画好き。ある日、彼らのボスが急死したため、チリたちの組織はレイ(デニス・ファリーナ)をボスとする組織の傘下に入った。以前よりチリを快く思っていなかったレイは、早速彼に従うように命じ、クリーニング店主レオ・デボー(デイヴィッド・ペイマー)の借金の取り立てを命じる。レオは飛行機事故で死んだので、彼の妻フェイ(リンダ・ハート)を訪ねて探ると、彼女はレオが生きている可能性があると語った。ラスベガスに飛んだチリはレオの存命を確認。今はLAの競馬場にいることを突き止めるが、情報の見返りにLAでB級映画プロデューサーのハリー・ジム(ジーン・ハックマン)がカジノで作った15万ドルの借金の集金を頼まれる。LAに向かったチリは、ハリーのが同棲する女優のカレン・フロレス(レネ・ルッソ)の家に。深夜、無断で侵入したチリだったが、ハリーとすっかり意気投合。彼はレオの話を元にしたプロットを語り出す。ヤクザから1万5千ドルを借金したレオは高飛びを決意。飛行機に乗り遅れた彼の目の前で、機は墜落したため、死んだと思われたレオに30万ドルの補償金が航空会社から支払われた。レオは大金を手にベガスに行き、ほとぼりが冷めた頃に妻が後を追って行くことに。運がいいことに、賭博で金は50万ドルに増えた……。チリとハリーは、いつしかこの話を映画化しようと盛り上がる。翌日、ハリーは、以前に自分の映画に投資したリムジン社が準備中の作品「フリークス」に再投資した20万ドルをベガスで使ってしまったことを告白。そして、さらにおもしろく、金になりそうな「ミスター・ラブジョイ」なる作品の権利をつかんだが、脚本家が急死したため、脚本家の妻ドリス(ベット・ミドラー)が50万ドルで脚本を売ると言い出していると、チリに語った。さらにその映画には大スターのマーティン・ウィアー(ダニー・デヴィート)を起用するつもりだとも。さらにリムジン社のボス、ボー・キャトレット(デルロイ・リンド)や手下のベアー(ジェームズ・ガンドルフィーニ)は、麻薬を売買する危険な商売に手を染めていることも隠さずに話した。話を聞いたチリは、ボーたちと決着を付けることを決意。タイミングよく現れた彼らにうまく話を運ぼうとするが、ハリーがつい「ラブジョイ」のことを口を滑らせてしまった。ボーは以前に投資した金を返すか、「ラブジョイ」に投資させるかのどっちかだと迫って去る。チリはヤクザから足を洗い、好きな映画製作に賭けてみることにした。一方、最初は警戒していたカレンも、チリの紳士的な態度や映画マニアであることがわかって打ち解け「ラブジョイ」の内容を詳しく話した。一方、レイがこちらに向かっていることを知ったチリはレオを見つけ、レイに発見されたら金ばかりか命も失うぞと言い、レオがだまし取った30万ドルを巻き上げる。ボーは「ラブジョイ」の脚本がすっかり気に入り、一緒にリライトしないかとチリに話を持ちかける。その申し出を断った彼は、名画座で大好きな「黒い罠」を楽しむ。彼に映画に誘われたカレンは作品の台詞を暗唱する姿を見て、彼の映画への思いを痛感。元夫であるマーティンを「ラブジョイ」の製作に誘い込むことをチリに提案し、彼に会わせることを約束した。その頃、空港を舞台にした麻薬取り引きでトラブルを起こしたボーたちは、取り引き相手のコロンビア人を殺害した。翌日、チリはカレンの案内でマーティンに会い、彼と意気投合。一方、ボーはハリーに接近し、50万ドルの追加融資を持ちかけた後、空港ロッカーに金があるのでチリに取りに行かせるよう彼に言う。それはコロンビア人が麻薬売買で用意した金で、麻薬取締官にロッカーがマークされているため、ボーたちに手が出せないものだった。ハリーから話を聞いたチリは、危険を承知で空港に行くことを決める。ハリーは密かにレイに連絡し、レオが航空会社からだまし取った30万ドルはチリが持っていることを告げた。チリは空港でわざと麻薬取締官に捕まり、怪しくないことを証明する。一方、LAに着いたレイはハリーの事務所を訪ね、彼を殴り倒して金を返済するよう迫った。計算が狂って驚くハリーの眼前で事務所に来たボーの手下を射殺。重傷を負った彼に銃を突きつけ、チリとレオ、そして金のある空港ロッカーのことを聞いて去った。ハリーは殺人容疑で釈放されるが間もなく釈放。「ラブジョイ」をハリーと作りたいボーは、チリを自宅におびき寄せて殺そうとするが、ボーの汚さに嫌気が指したベアーが彼を助け、逆にボーは転落死。やがて、レオの金を受け取りに空港に現れたレイは、麻薬取締官たちに逮捕された。追い詰められたレイが拳銃を構えた瞬間……「カット!」の声。ここは「ラブジョイ」から「ゲット・ショーティ」と改題された映画の撮影スタジオだ。ハリーやカレン、ピーターに囲まれたチリも満足げだった。
「ゲット・ショーティ」の解説
映画フリークの借金の取立屋がハリウッドに乗り込んで、映画製作を巡る騒動に巻き込まれる姿を描いたオフビート・コメディ。全編に散りばめられたマニアックな映画ネタやユニークなキャラクター群が見どころ。『スティック』『グリッツ』『ラブラバ』などで知られるミステリー作家エルモア・レナードの同名小説(邦訳・角川文庫)を、「アダムス・ファミリー」1、2のバリー・ソネンフェルドが監督とエグゼクティヴ・プロデューサーを兼ねて映画化。脚本は「リトルマン・テイト」「ヘブンズ・プリズナー」のスコット・フランク。製作は助演もしているダニー・デヴィート、「パルプ・フィクション」のマイケル・シャンバーグ、「リアリティ・バイツ」のステイシー・シェールで彼ら3人が主宰するジャージー・フィルムズの作品。撮影は「アダムス・ファミリー2」のドン・ピーターマン、音楽は「ミステリー・トレイン」などジム・ジャームッシュ作品でおなじみジョン・ルーリー、美術は「恋のクレジット」のピーター・ラーキン、編集はジム・ミラー、衣裳は「パルプ・フィクション」のベッツィ・ヘイマンが担当。主演は「ブロークン・アロー」のジョン・トラヴォルタ、「アウトブレイク」のレネ・ルッソ、「クリムゾン・タイド」のジーン・ハックマン、「ジュニア」のダニー・デヴィート。「フロークン・アロー」のデルロイ・リンド、「リトル・ビッグ・フィールド」のデニス・ファリーナらが脇を固めるほか、ベット・ミドラー、ハーヴェイ・カイテル、映画監督のペニー・マーシャルなどがカメオ出演している。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1996年6月15日 |
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キャスト |
監督:バリー・ソネンフェルド
原作:エルモア・レナード 出演:ジョン・トラヴォルタ ジーン・ハックマン レネ・ルッソ ダニー・デヴィート デニス・ファリーナ デルロイ・リンド ジェームズ・ガンドルフィーニ ジョン・グリース Renee Props デイヴィッド・ペイマー Martin Ferrero ミゲル・サンドヴァル ジェイコブ・ヴァルガス Ron Karabatsos バリー・ソネンフェルド |
配給 | UIP |
制作国 | アメリカ(1995) |
上映時間 | 105分 |
ユーザーレビュー
総合評価:3点★★★☆☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2023-11-10
マイアミでマフィアの借金の取り立て屋をしているチリ(ジョン・トラヴォルタ)は、大の映画好き。
対抗するヤクザの幹部と喧嘩をした後、取り立てに行った洗濯屋が、実は飛行機事故で死んだと思われたのを幸いに多額の保険金をせしめ、ラスベガスにいることをつきとめる。
その後、舞台はロサンゼルスに移り、B級映画のプロデューサーのハリー(ジーン・ハックマン)と知り合い意気投合、新作をめぐって、麻薬ギャングやマフィアの親分まで割り込んできてのトラブルとなってしまう。
犯罪小説で有名な作家エルモア・レナードが書き上げたコメディの映画化で、洒落た味わいの粋な作品に仕上がっていると思う。
憧れのスターと同じコートを着たり、好きな映画をまた再上映で観に行って、セリフを先取りして口ずさんだり、ハリーと昔懐かしい名作映画の話をしたりという、トラヴォルタの映画オタクぶりは面白いのだが、映画界の内幕の面白さというところまではいっていない。
そして、登場人物がやたらに多いのもコメディの効果になるより、わずらわしい感じになってしまっているような気がします。