血とバラ 作品情報
ちとばら
ローマ近郊の古城の荒れ果てた墓地。墓に記された名はほとんどカーンシュタイン。第二次大戦も終わったある日のこと、この墓地の近くを2人の美女が馬に乗って通りすぎた。カーミラ・フォン・カーンシュタイン(アネット・ヴァディム)とジョルジア・モンテベルディ(エルザ・マルティネリ)で、ジョルジアはカーミラのいとこレオポルド・デ・カーンシュタイン(メル・ファーラー)と婚約の間柄だった。その日、カーンシュタイン邸に集まった来客たちの間で、この家の伝説が話題になった。200年ほど前、吸血鬼の呪いにとどめを刺そうと領地の百姓たちがカーンシュタイン家の墓をあばき、屍体に杭を打ち込んだ。しかし最も恐れられていた吸血鬼ミラーカの墓だけは探し出すことが出来なかったというのだ。そのミラーカの肖像画がカーミラにそっくりなのを知った一同は不吉な予感におびえた。カーンシュタイン家での舞踏会の夜、カーミラはいつになく酔って、ミラーカの衣装を持ち出して身にまとい、催しの花火の打ち上げ場へ出て行った。やがて花火が始まるとその音に交って爆発音が起こった。すると古い僧院の壁が崩れ、そこからミラーカの墓が現れた。爆発は戦争中しかけた地雷によるものだと分かったが、その時からカーミラの身に不思議なことが起こった。手が氷のように冷たかったり、昔のダンスを踊ったりするのだ。ある夜、カーミラは召使リザ(ガブリエラ・ファリノン)の前に不意に現れた。何事かに驚いたリザは走り出たまま行方不明になった。やがて、首に傷跡が残ったリザの屍体が発見され、人々は吸血鬼の仕業だと言った。そんなある日、カーミラの姿が見えなくなり、意外な所で死体となって発見された。カーミラは吸血鬼か。怪奇な伝説である。
「血とバラ」の解説
「危険な関係」のロジェ・ヴァディムが、パラマウントと契約して監督した第1作。イタリアの吸血鬼伝説を題材にした新しいスタイルの恐怖映画。アイルランドの作家シェリダン・ルファヌーの怪奇小説「カーミラ」をもとに、ロジェ・ヴァディム以下4人のライターが現代風に書き直したもの。撮影は「女の一生」「ピカソ・天才の秘密」のクロード・ルノワールで、ローマ近郊の古城でロケが行われた。音楽は「素晴らしい風船旅行」のジャン・プロドロミデスが担当。出演は「戦争と平和」「陽はまた昇る」のメル・ファーラー、「赤い砦」「水田地帯」のエルザ・マルティネリ、「危険な関係」のアネット・ヴァディム、「ローマで夜だった」のガブリエラ・ファリノン、ジャック・ルネ・ショーファール、特別出演のマルク・アレグレ監督など。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:ロジェ・ヴァディム
原作:シェリダン・ル・ファヌー 出演:メル・フェラー エルザ・マルティネッリ アネット・ヴァディム ジャック・ルネ・ショーファール マルク・アレグレ Alberto Bonucci Serge Marquard ガブリエラ・ファリノン Renato Speziali Edytee Peters Gianni De Benedetto Carmilla Stroyberg Nathalie Le Foret |
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配給 | パラマウント映画 |
制作国 | フランス イタリア(1960) |
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