NO ハンブルク NO ビートルズ 作品情報

1960年、ドイツ・ハンブルクのクラブオーナーたちは、イギリスではアメリカン・スタイルのロックンロールが演奏されていると水夫から聞き、アメリカより来るのに費用を抑えられるイギリスからアーティストを呼ぶ。8月15日、列車代や船代も出せないビートルズは、ミニバスでハンブルクを訪れる。彼らはクラブではなくストリップクラブのインドラで演奏し、隣の映画館で、ベッドも照明も暖房もない場所でユニオンジャックの旗を被って寝ることに。メンバーは全員10代で、最年少のジョージ・ハリスンは17歳で世界最大の赤線地区の真ん中で演奏し、寝泊まりしていたのだった。ステージでは人を引き付けるコツを学び、スタイルが確立する。当初は無名だったが、1、2週間ほどで混み合うようになり、6週間後には近所からの苦情でライブ演奏が禁止になったため、やっとカイザーケラーで演奏できることになる。その後、トニー・シェリダン付きのバンドとしてトップテンで演奏したいと申し出ると、カイザーケラーのマネージャー、コシュミーダーに「ドイツでは二度と働けなくしてやる」と脅される。トップテンで演奏した初日にコシュミーダーは警察にタレこみ、ポールとピートは起訴されイギリスに強制送還される。1962年4月、ハンブルクのスター・クラブのオープニングに呼ばれたビートルズは初めて飛行機でハンブルクに行くが、空港で待っていたのはスチュアート・サトクリフの恋人・アストリッドだけで、元メンバーの死を知るのだった。8月、ドラマーのピート・ベストが外され、リンゴ・スターに替わる。11月と12月にハンブルクを再訪し、大晦日を最後にスター・クラブでの公演を終え、11日後に発売された『プリーズ・プリーズ・ミー』がイギリスで大ヒットする。当時を知る者は皆「ビートルズを作ったのはリヴァプールではない」と語る。