私は告白する 作品情報

わたしはこくはくする

カナダの都市ケベックの教会。ここの神父館で働くオットー・ケラー(O・E・ハッセ)は、ある夜、神父マイケル・ローガン(モンゴメリー・クリフト)に重大な告白をした。ケラーは生活苦の末、強盗を働いて弁護士ヴィレットを殺害したのだ。この事件はラルー警視(カール・マルデン)が捜査に乗り出した。ケラーは犯行のとき僧衣をまとっていたので、マイケルに疑いがかかって来た。だが聖職にある彼は、告白の内容を洩らそうとはしなかった。そのうえ、兇行の夜、マイケルが国会議員グランドフォードの妻ルース(アン・バクスター)と逢っていたこともわかって、彼への心証は益々悪くなった。ルースは無実を明かすために良人、検事、警視、マイケルらの前で、マイケルとの過ぎし日の恋を打ちあけた。2人の仲は大戦勃発で割かれ、出征したマイケルは、牧師志望の弟が戦死したので、その志をついで神父になる決心をした。そのためルースは恋をあきらめ、グランドフォードと結婚したのだが、想いはマイケルにあった。マイケルの帰還後、ルースと彼は郊外の小島へ遊びに出かけ、お互に2人の過去を清く水に流そうとしたが、折悪しく突然の嵐のため、空家で一夜を明かさねばならなくなった。翌朝、2人の前にあらわれたのは、その家の持主ヴィレット弁護士で、彼はこの逢曳き現場をネタに、以来2人を脅喝しつづけた。マイケルとルースは堪りかねて、丁度ヴィレットが殺害された晩に、その対策を相談していたのである。ーだがルースの真実の陳述も却ってマイケルを不利にした。死体を調べた結果、ヴィレット殺害の時刻は、マイケルがルースとわかれて30分後だった。マイケルは起訴され公判に附されたが、確証がないため無罪の判決を受けた。だが大衆は承知せず、マイケルにあらゆる罵声をあびせかけた。事件の真実を知るケラーの妻は、この様に堪りかねて、真相を曝露しようとしたが、ケラーに殺された。ラルー警視はケラーがこの事件に関係していることを悟り、マイケルらとともにケラーの逃げ込んだホテルへ向った。マイケルはケラーを説得しようとしたが、逆上したケラーは自らの罪をラルーの前でぶちまけ、マイケルに拳銃を射ちかけて来た。だが、ラルーの命令で、ケラーは包囲する警官の銃弾に倒れた。

「私は告白する」の解説

「見知らぬ乗客」のアルフレッド・ヒッチコックが1953年に監督た作品で、ポール・アンセルムの戯曲の映画化。脚本はジョージ・タボリとウィリアム・アーチボルドの共同執筆。撮影は「見知らぬ乗客」のロバート・バークス、音楽の作曲指揮は「吹き荒ぶ風」のディミトリ・ティオムキンのの担当。主演は「終着駅」のモンゴメリー・クリフトと「人生模様」のアン・バクスターで、カール・マルデン(「欲望という名の電車」)、ブライアン・エイハーン(「大地は怒る」)、O・E・ハッセ、ロジャー・ダンらが助演する。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督アルフレッド・ヒッチコック
原作ポール・アンセルム
出演モンゴメリー・クリフト アン・バクスター カール・マルデン ブライアン・エイハーン O・E・ハッセ ロジャー・ダン ドリー・ハス チャールズ・アンドレ ジャドソン・プラット オヴィラ・レガーレ ジル・ペルディエ
配給 ワーナー・ブラザース映画日本支社
制作国 アメリカ(1953)
上映時間 95分

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ユーザーレビュー

総合評価:4.89点★★★★☆、9件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-21

クリフトは、その大きく澄んだ瞳を最大限に生かし、男というよりは、悲劇に耐える青年といった風情で、観る者の同情を集めるのだ。

クリフトは実生活において、46歳で悲劇的に人生を終えたのだが、30歳ちょっとの頃のこの作品でも、すでに悲劇の匂いが漂っている。

ヒッチコック作品への出演は、これ一本だが、彼の存在が大きい作品だと思う。

最終更新日:2024-05-31 16:00:01

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