わが命つきるとも 感想・レビュー 1件

わがいのちつきるとも

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P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-12-03

フレッド・ジンネマン監督の「わが命つきるとも」は、1966年度のアカデミー賞で主要6部門を受賞した作品で、ロバート・ボルトの舞台劇を完璧な映像美で映画化した名作だ。

「ユートピア」の作者としても有名なトーマス・モアを主人公に、時の国王ヘンリー8世の離婚問題から起こった確執と権力闘争という、英国史上有名な史実を描いている。

特に、この作品でアカデミー主演男優賞を受賞した、トーマス・モア役のポール・スコフィールドを筆頭に、ずらりと顔を揃えた名優たちも見どころ十分で、ロバート・ショーがヘンリー8世を生き生きと好演している。

リアリズムで貫かれた、フレッド・ジンネマン監督の演出の格調の高さは、彼の最高作だと思います。

信念のためには、権力にも抵抗し、死をも厭わないという、トーマス・モアの人間像には驚嘆するばかりだ。

アメリカン・ニューシネマの台頭以前の弱体化したハリウッドが、意地を示した正統派歴史劇の秀作だと思います。

最終更新日:2024-11-06 17:05:33

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