レベッカ 作品情報

れべっか

英国コーンウォル海岸近くにマンダレイという荘園を持ったマキシム・ド・ウインター(ロウレンス・オリヴィエ)はモンテカルロで知り合った娘(ジョーン・フォンテーン)と結婚して帰邸した。彼は美しい先妻レベッカを失って、2度目の結婚であった。家政婦のダンヴァース夫人(ジュディス・アンダーソン)は、レベッカへの熱愛から、新夫人を成上りの闖入者扱いにし、レベッカの居間は生前のままに保存していた。死後も尚レベッカが家を支配しているようだった。恒例の仮装舞踏会のとき、ダンヴァース夫人のすすめで、新夫人は廊下にかけられた美しい画像の婦人と同じ衣裳をつけたが、それがひどくマキシムを驚かし心を傷つけたようであった。それは生前のレベッカがした仮装と全く同じだったのだ。新夫人は、夫の心をまだレベッカが支配しているように感じて絶望し、ダンヴァース夫人の誘導にのって窓から身を投げようとし、折から打ち上げられた花火の音で救われた。花火は岸辺近くに難破船のあった知らせで、救難作業の結果、海底に沈んでいたレベッカのヨットと、船中のレベッカの死体が見つけられた。レベッカは嵐の夜ヨットを出して遭難し、死体はその後漂着し、マキシムが確認の上、家の墓地へ葬られていたので、彼女の死因について新しい審議が開かれ、レベッカは自殺をしたと判定された。レベッカの従兄で彼女と長い間情を通じていたジャック・ファヴェル(ジョージ・サンダース)は、暗にマキシムの犯行を主張した。マキシムは新しい妻にレベッカが淫蕩的な女性で彼を苦しめ、死の日、レベッカにののしられた彼が遂に彼女を追いつめた結果、レベッカが倒れて頭を打って死んだこと、それを彼はヨットに運んで沈めた事実を打ち明けた。一方、レベッカが死の当日訪ねた婦人科医師はレベッカが不治の癌に犯されていたことをつげ自殺の原因を証明した。レベッカは自殺を決意して、夫のマキシムに自分を殺させようとしたのであった。しかしレベッカの深いたくらみは、マキシム夫妻が知るのみであった。マキシムがマンダレイに帰り着くと、ついに精神に異常を来したダンヴァース夫人によって炎に包まれていた。邸宅は夫人もろとも焼け落ちてしまった。こうしてようやく夫妻はレベッカから解放されたのであった。

「レベッカ」の解説

「情炎の海」のダフネ・デュ・モーリアの同名の原作から、「我等の生涯の最良の年」のロバート・E・シャーウッドがジョーン・シンプソンと協同脚色、「バルカン超特急」のアルフレッド・ヒッチコック監督の渡米後初監督作品。1940年度アカデミー賞受賞作。製作は「風と共に去りぬ」につづくデイヴィド・O・セルズニック。撮影は「海賊バラクーダ」のジョージ・バーンズ、音楽は「大編隊」のフランツ・ワックスマンが担当する。「嵐ケ丘」のローレンス・オリヴィエ、「純愛の誓い」のジョーン・フォンテーン、「天国の怒り」のジョージ・サンダース以下、ジュディス・アンダーソン、ナイジェル・ブルースらが助演。

公開日・キャスト、その他基本情報

配給 セルズニック東宝
制作国 アメリカ(1940)
上映時間 130分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、6件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-08

この映画は「ミステリアスな雰囲気漂う心理サスペンス」の傑作だと思います。

この映画「レベッカ」は、ハリウッドの大製作者デイヴィッド・O・セルズニックと契約したアルフレッド・ヒッチコックが、アメリカに渡って最初に手掛けた作品であり、1940年度の第13回アカデミー賞で、最優秀作品賞と最優秀撮影賞(白黒)を受賞して、アメリカ映画界へ華々しい登場となった作品ですね。

イギリスの女流作家ダフネ・デュ・モーリアが1938年に書いたゴシック・ロマン小説の映画化で、女性が結婚して得る幸福の意味を追った小説ですね。

アルフレッド・ヒッチコック監督は、原作の持つ雰囲気描写を映像に置き替えながらも、内容の上ではヒロインの心理的不安、そして殊に、映画の後半に見られる謎解きと裁判のサスペンスに興味を移し替えてまとめあげていると思います。

この映画は一人称による原作の持ち味をそのまま使って進行しているため、ジョーン・フォンテーンが扮するヒロインの「私」で話が進むのも実にユニークですね。

最終更新日:2024-10-21 02:00:03

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