夜霧のマンハッタン 作品情報

よぎりのまんはったん

1968年、マンハッタン。著名な画家のセバスチャン・デアドンは娘チェルシーの8歳の誕生日の夜、自宅の火事で焼死。彼の価値ある多くの絵画もこの火事で焼失した。それから18年後――。離婚経験があり、現在は独身中のトム・ローガン(ロバート・レッドフォード)は有能な地方検事補で、彼の上司はローガンを次期の地方検事に推薦しようとしていた。その大事なスピーチのある宴会場に、敏腕弁護士として知られる若くて美しいローラ・ケリー(デブラ・ウィンガー)が長身の女性チェルシー(ダリル・ハンナ)を連れて現われた。そして現在ケリーが扱っているデアドン事件が特殊な事件にもかかわらず、検事側はケリーの要請を無視していると訴えた。デアドン事件とはチェルシーがある絵を盗もうとした事件だが、チェルシーはその絵は自分の父が誕生日にプレゼントしてくれたもので絵の裏には父のサインもあるということだった。チェルシーは18年前に火事で焼死したとされていたセバスチャン・テアドンの娘であった。この訴えにローガンは、サインが本当にあれば訴えは取り下げると約束した。そして、ローガンはケリーとともにその絵の持ち主フォレスター(ジョン・マクマーティン)の所に行くが絵はすでに他の人に渡っており、チェルシーへの告訴も取り下げたと伝えた。2人はその足で新しい絵の所有者ヴィクター・タフト(テレンス・スタンプ)の所に行き、絵の裏を確認するが、そこにはサインはなかった。その日の深夜、ローガンの自宅にチェルシーが突然訪ねてきて、何者かに後を尾けられていると訴えた。ローガン同様、なかなか寝付けなかったケリーのアパートを翌朝、キャヴァナウ刑事(ブライアン・デネヒー)が訪ねてきた。彼は18年前のデアドン事件の担当刑事でセバスチャンは何者かに殺されたのだと告げ、当時の資料などを彼女のもとに置いていった。その資料を検討したケリーは早速、ローガンの所に行き、2人でタフトの所に出向いた。そして、焼失したはずのセバスチャンの絵が今も実在する事実を彼に問い質した。慌てたタフトはすぐに動いた。タフトは自分の倉庫に行ったのだ。彼を尾行して2人も倉庫へ。そこで2人はフォレスター、タフト、そしてジョセフ・ブロックの3人が発起人となって62年に設立された会社の登記書類とフォレスターとタフトが受け取り人になったセバスチャンの保険人支払いの書類等を発見した。が、同時にタフトによって仕掛けられた時限爆弾も発見され、2人は危機一髪の所でこの難を逃れた。その夜、ローガンの自宅に再びチェルシーが現われ、タフトに本物の絵のありかを聞きだそうとしたところ、逆に襲われそうになったので逃げてきたと伝えた。ローガンはその晩、彼女を自宅に泊めることを決心し、深夜になるとチェルシーが彼のべッドに入り込み、2人は自然と一夜を過ごすのだった。だが、翌朝、2人は刑事によって叩き起こされた。タフトが殺されたのだ。チェルシーはその容疑者として逮捕され、ローガンもこの件がもとで検事補を辞職するハメに陥った。そんな彼をケリーは自分の事務所に居候させ、2人でチェルシーの弁護にあたることにした。審理が進んだある日、法廷に来たフォレスターを見てチェルシーは幼い頃の記憶がよみがえり、18年前に父を殺したのは彼だと思い出した。やがて、そのフォレスターも何者かに殺され、八方塞がりに陥るが、ローガンはふとしたことからタフトの事務所にあった彼の秘蔵品の彫像を思い出し、画廊に急いだ。一方、ケリーはキャヴァナウ刑事を訪ねたが、そこに現われた刑事は以前のキャヴァナウ刑事ではなかった。一連の事件の真犯人がキャヴァナウ刑事になりすましていたのだ。ケリーも画廊に急ぐが画廊は真犯人により火の海となっており、またまた危機に陥るがローガンによって救出され、犯人はローガンと争ううちに階下へ落ち死亡した。本物の絵はやはり彫像の中にあり、それにはセバスチャンから娘のチェルシーへ贈るというサインがあった。

「夜霧のマンハッタン」の解説

マンハッタンを舞台に焼死した画家の絵画をめぐって奔走する地方検事補と女性弁護士と画家の娘の姿を描くサスペンス。製作・監督は「ゴーストバスターズ」のアイヴァン・ライトマン、脚本はジム・キャッシュとジャック・エップス・ジュニア、原案はアイヴァン・ライトマン、ジム・キャッシュ、ジャック・エップス・ジュニア撮影はラスロ・コヴァックス、音楽はエルマー・バーンスタインが担当。出演はロバート・レッドフォード、デブラ・ウィンガーほか。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1987年3月21日
配給 ユニヴァーサル=UIP
制作国 アメリカ(1986)

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2025-04-20

父の残した絵を盗もうとして、捕まった謎の女。彼女を弁護するのは、若く美しい女性弁護士。検察側は、将来を約束された少壮検事補。

謎の女性が盗もうとした絵は、彼女が8歳の誕生日に、父が贈ってくれたもの。
しかし、その夜、大火に包まれて父は死んだ。しかも、その絵は焼けた事になって、巨額の保険金がおりていた。

更に、彼女は殺人の容疑をかけられてしまう。この謎の女を演じるのは、ダリル・ハンナ。
本当の事を言っているのか、嘘を言っているのか、正体不明のあたりが、ぴったりのキャスティングですね。

若く美しい女弁護士を演じるのが、デブラ・ウィンガー。「愛と追憶の日々」で、母に先立ち世を去ったあの女優。
そして、少壮の検事補を演じるのが、我らがロバート・レッドフォードという豪華な出演陣。

危機一髪のスリルあり、カーアクションありのスタントあり。事件はもつれて、絡み合って、意外な真犯人が登場する。
監督は「ゴーストバスターズ」のアイヴァン・ライトマン。

娯楽性豊かな映像感覚をニューヨークのマンハッタンの濡れた舗道にきらめかせて、レッドフォード、ウィンガーと共に華のあるスター演技。

それにしても、裁判を見事に娯楽映画の素材に使って見せるアメリカ映画。
いかに、日本と裁判のシステムが違うからといって、やっぱりこれは凄いアメリカ映画のパワーだと思いますね。

最終更新日:2025-04-24 16:00:01

広告を非表示にするには