P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-15
才人メル・ブルックスが、製作と出演のみに専念した「メル・ブルックスの大脱走」は、エルンスト・ルビッチ監督の「生きるべきか死ぬべきか」のリメイク作品だ。
ルビッチは、倫理コードの厳しさを逆手に取り、セックスを暗示的に描くのが得意で、その洗練を極めた演出は、ルビッチ・タッチと呼ばれたものだ。
この二人には幾つも共通点があって、ユダヤ人であること、喜劇役者から監督に転じたこと、監督となってからも喜劇ばかりを手掛けたこと。
これがブルックスをして、ルビッチ作品のリメイクを思いつかせた理由だろう。
ほとんど欠点のない、完璧な映画がオリジナルなので、なぞっただけでも面白くなるのだが、ブルックスらしいアクの強いギャグを詰め込んだこの作品も、かなりいい線をいっていると思う。