魔術の恋 作品情報

まじゅつのこい

19世紀の終わり、ニューヨークの三流寄席で奇術を演じているハリー・フーディニ青年(トニー・カーティス)の夢は第一流の大魔術師になることであった。美貌の彼は女性観客になかなかの人気があり、ある日見物に来た高校生のベス(ジャネット・リー)も忽ち彼の男らしさに惹かれたひとりであった。思いたったらきかぬフーディニは、芸人生活をためらうベスを口説き落し、2人は結婚した。貞節なベスは、夫を堅気にしたいと希いつつも自らフーディニと舞台で共演して愛敬をふりまいた。しかし2人の生活は楽ではなく、フーディニはやがて金庫会社に入ったりしたが、魔術への夢は絶ちがたく、錠破りの競技で賞金を得てヨーロッパへ旅行した時、再びロンドンで舞台に立つことになった。ここでスコットランド・ヤードの留置所破りをしてみせたことから彼の名声は一段と轟きわたり、ヨーロッパ各地を巡演のあと大喝采を受けてアメリカへ戻った。次から次へと新しい魔術を考え出す彼の上演種目のうち、最も得意なのは密封された場所から抜出す術だった。ある冬、金庫につめこまれてデトロイト河に沈み、底から浮び上るという魔術を試みたが、鎖が外れて金庫が流され、水面に出る氷の穴が判らなくなってしまった。やっと出られたのは死んだ母親の魂の導きだった。フーディニは舞台を退いて母をよび出す降霊術に転向しようとしたが、あまりの幼稚さに失望して再び魔術に戻った。彼の一生の念願は密封されたガラスの水槽から抜け出す術だった。フーディニはどうしてもこの前人未踏の水責めを断念しなかった。足を蓋にしばりつけて水中に逆さ吊にされた彼は、しかしついに外へ出られなかった。病いが彼の力を奪っていたのである。こうして1代の魔術王は、舞台で魔術にその命を捧げ終えた。

「魔術の恋」の解説

1代の魔術王と呼ばれたハリー・フーディニ(1874~1926)の伝記を劇映画化したもので「宇宙戦争」のジョージ・パル製作による1953年作品。ハロルド・ケロックの「フウディニ伝」から「探偵物語」のフィリップ・ヨーダンが脚色、「燃える幌馬車」のジョージ・マーシャルが監督した。撮影は「月蒼くして」のアーネスト・ラズロ、音楽はロイ・ウェッブの担当。フーディニには「命を賭けて」のトニー・カーティスが扮し、「裸の拍車」のジャネット・リーが共演、以下「第17捕虜収容所」のシグ・ルーマン、「キリマンジャロの雪」のトリン・サッチャー、アンジェラ・クラークらが助演する。

公開日・キャスト、その他基本情報

配給 パラマウント映画会社
制作国 アメリカ(1953)
上映時間 106分

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最終更新日:2024-11-11 13:31:12

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