マクベス(1971) 作品情報

まくべす

苦しい戦いであったが、マクベス(ジョン・フィンチ)の勇敢な戦いぶりが大きく貢献して、国王ダンカン(ニコラス・セルビー)は勝利を納めることができた。共に戦ったバンクオ(マーティン・ショー)と共に、ふりしきる雨の中を王の本営へと急いだ。その途中、突如2人の前に3人の魔女が現われ、予言を告げた。マクベスが近い将来マーダの領主となり、バンクオは王の父となる、というのだった。マクベスは半信半疑でその後を追ったが、3人は霧のように消えてしまった。翌朝、マクベスのもとに、“戦功によりマーダの領主とする”という知らせが届いた。謎の魔女たちの予言が早くも的中したことに、マクベスは驚かずにはいられなかった。勝ち気で野心家のマクベス夫人(フランセスカ・アニス)は、そのことを知り、いつの日か必ず国王夫人になることを決心し、恍惚とした。そのチャンスは意外に早くやってきた。ダンカン一行がマクベスの城に滞在することになったのだ。ダンカン一行が、歓迎の酒に酔いつぶれたその夜、マクベスは夫人にそそのかされ、ダンカンが眠る寝室に侵入し、短剣を彼の胸に突き刺した。全身の力が抜けたように立ちすくむマクベスを力づけ、夫人は血で汚れた室内の後始末を始めた。一夜が明け、城は大混乱におちいった。凶器は、いつの間にか眠りこけた不寝番の手に握らされていたが、その犯人を追求する前に、身の危険を感じた王の息子マルコム(ステファン・チェイス)とドナルバイン(ポール・シェリー)は行方をくらました。こうして魔女の予言通り、マクベスはスコットランドの王となったものの、今度はバンクオが邪魔になってきた。なぜなら、魔女たちは、バンクオが王の父になる、と予言したのだから。野望を満たすために、マクベスと夫人はバンクオをも殺害した。しかし、王になるべき、バンクオの息子はとり逃がしてしまった。このことが原因で、マクベスは幻覚におびえるようになった。一方、夫人も悪夢にうなされ、とうとう精神に異常をきたし始めた。荒れ狂う城主を反映してか、城の中にも次第に不気味な空気が流れ始め、臣下たちも、その恐怖に追い立てられるように姿をくらました。その頃、ダンカンの息子マルコムは、マクベスに家族を皆殺しにされたマクダフ(テレンス・ベイラー)と共に復讐の準備を整えて、攻撃を開始してきた。その最中に、マクベス夫人は幻覚に耐えきれず、自ら命を断った。兵たちもみな逃亡し、まはや城に残るのは城主マクベス唯1人だった。孤立無援のマクベスと、復讐の念に萌えるマクダフの一騎打ちが始まった。激しい戦いの末、マクベスの首は飛ぶように城の階段をころがり落ちていった。

「マクベス(1971)」の解説

シェイクスピア原作の『マクベス』の映画化。アメリカの「プレイボーイ」誌のニュー・M・ヘフナー社長が設立したプレイボーイ・プロダクション製作の第1作。製作総指揮はヒュー・M・ヘフナー、製作はアンドリュー・ブランスバーグ、監督は「吸血鬼」のロマン・ポランスキー、シェイクスピアの原作をポランスキーとケネス・タイナンが脚色。撮影はギル・テイラー、音楽はザ・サード・イアー・バンド、編集はアリステア・マッキンタイアが各々担当。出演はジョン・フィンチ、フランセスカ・アニス、マーティン・ショー、ニコラス・セルビー、ジョン・ストライド、ステファン・チェイス、ポール・シェリー、テレンス・ベイラー、アンドリュー・ローレンス、フランク・ワイリーなど。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1973年7月7日
配給 コロムビア映画
制作国 アメリカ(1971)

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、3件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-21

ポーランド出身のロマン・ポランスキー監督が、シェークスピアの名作「マクベス」に挑戦し、イギリスで撮った作品が、この「マクベス」ですね。

「水の中のナイフ」「反撥」「袋小路」「ローズマリーの赤ちゃん」「チャイナタウン」等々、ポランスキー監督の映画は、常に悪魔の世界、怪奇と幻想の世界を追い続けていたと思います。
そして、特にこの「マクベス」に、その大いなる、彼の特徴が出ていると思います。

このシェークスピアの「マクベス」は、様々な形で映画化されていて、黒澤明監督の「蜘蛛巣城」や、オーソン・ウェルズの「マクベス」などが有名ですね。

このポランスキー版の「マクベス」は、出だしの三人の魔女のシーンから、粘っこい怪奇の世界に、我々観る者を引きずり込んでくれます。

最終更新日:2024-05-31 16:00:01

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