ドクター・モローの島 作品情報
どくたーもろーのしま
1911年。赤道に近い太平洋上に漂う1艘の救命用ボート。やがてそれはある孤島に流れ着く。乗っていたのは、ブラドック(マイケル・ヨーク)。密林の中、不安げに進む彼は、おとし穴に落ちて気を失った。やがて、彼は今自分のいる所がある建物の1室と気づく。彼を救ったのはモンゴメリー(ナイジェル・ダベンポート)。そして、ここはドクター・モロー(バート・ランカスター)の島だった。モローは60歳に近い老人だが、威圧感のある男であり、醜い召使と2人の女中がいる。そして、もう1人の住人、マリア(バーバラ・カレラ)は可憐な女だった。ブラドックは、モローに彼女の素性をたずねたが、「11年前にパナマで卵1ダースと交換した」としか言わない。この島には船は近づいて来ないのだ。ブラドックは呆然とする。一方、モローは生物の遺伝に関係する染色体を研究しており、密林にも、彼の研究室にも近づくなと、ブラドックに言う。日は流れた--。ブラドックはマリアと親しくなっていき、彼はある日、召使が密林で獣のようなかっこうをしているのを目撃した。そして、彼はついにモローの研究室へ忍び込み、モローが何をしているかを知る。つまり、モローは特殊な液により獣の人間化をこころみていたのだ。しかも密林には彼の作った未完成の半獣人達が棲んでいる。さらに、ここにいる半獣人達はモローのいいなりになっていた。ある日、ブラドックはボードで島からの脱出をこころみるが失敗し、モローに獣に退化する実験のモルモットにされてしまう。日、1日ごとに獣化するブラドック。体中に毛がはえ、言語能力は退化し……、しかし、この実験に反対したためモローによって殺されたモンゴメリーの死体を、獣人間が見た時、彼らはモローを殺した。やがてマリアの助けによりボートで脱出するブラドック。モローの邸は今は炎の中だ。2人のボートは大洋に出た。人間が神のさだめた自然の運命を変えることなど、しょせん無茶な話なのだ。だが、今、マリアの顔があの獣に変わろうとしていた--。
「ドクター・モローの島」の解説
ある熱帯の孤島にくりひろげられる、マッド・サイエンティストの世界を描くSF。製作総指揮はサミュエル・Z・アーコフとサンディー・ハワード、製作はジョン・テンプル・スミスとスキップ・ステロフ、監督は「新猿の惑星」のドン・テイラー、脚本はジョン・ハーマン・シェイナーとアル・ラムラス、原作はH・G・ウェルズの「モロー博士の島」(早川書房刊)、撮影はゲーリー・フィッシャー、音楽はローレンス・ローゼンタールが各々担当。出演はバート・ランカスター、マイケル・ヨーク、バーバラ・カレラ、ナイジェル・ダベンポート、リチャード・ベースハートなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1978年1月28日 |
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配給 | 松竹=富士映画 |
制作国 | アメリカ(1977) |
上映時間 | 99分 |
ユーザーレビュー
総合評価:3点★★★☆☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2024-05-12
この「ドクター・モローの島」は、ご存知、H・G・ウエルズの古典SF小説の映画化作品だ。
難破した船員ブラドック(マイケル・ヨーク)が、流れ着いた孤島で、野獣の人間化を研究しているモロー博士(バート・ランカスター)に出会う前半は、ほぼ原作通り。
ただ原作では、外科手術を反復し、それによって生ずる二次的変化の累積によって、野獣を人間化していくという、偶然に頼るやり方だが、映画では、染色体の説明に始まり、脳髄から採取した液を蒸溜したものを、繰り返し注射することになっている。
改変は後半で、原作では、博士の死後、獣人たちが次第に元の野獣に戻っていくありさまの描写にウエイトがかかっているが、映画では、島を脱出しようとしたブラドッグが捕らえられ、人間を野獣化する実験台にされるくだりが追加され、そこが面白い。
結局、彼は博士がパナマで買ったという娘マリア(バーバラ・カレラ)と危うくボートで脱出するが、その娘が実は-----という伏線のオチがついている。