P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2021-07-15
🚖ラストシーンでは失恋リベンジ劇と併せてに自己愛風なナルシズムも
たくしーどらいばー
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🚖ラストシーンでは失恋リベンジ劇と併せてに自己愛風なナルシズムも
タクシー運転手を主人公にしたドラマには同名の韓国映画やイラン映画等或いはドキュメンタリー番組にも在るけれども,本篇は12才半の娼婦役のジョデイ・フォスター救出劇のヒーローと云うstyleを持つ。恋愛劇で始まった本篇でデ・ニーロ演じるドライバーは大統領候補に掃き溜めのダウンタウン一掃を問題提起し其れをアナーキーに実行する。モノローグも多いしイタリア系移民で何処か疎外された孤独感も秘められてー
物事の善悪、合法非合法に関わらず頑固で純粋な人生哲学を持ち、ともすれば反社会的要素を纏った男が初期デニーロが好んで演じる役柄の共通点だが、トラビスはその典型だ!さらに身の程知らずの理想社会実現を妄想する完全にイカれたアウトサイダー。多額の功労金をもて余すベトナム帰還兵の命賭けの凶行が、あたかも必然であるかのように紡がれるシナリオは秀逸の極み!そして大仕事を終えいつもの毎日に戻ったたこのアブナイ男にまともな日々が送れるはずがない!…予感と不安がただよう単なる成功譚でないラストシーンがこの作品を傑作足らしめている!
ベトナム帰還兵役のトミー・リー・ジョーンズが悪事を働くと云うトラウマを描いた異色の映画作品「ローリング・サンダー」(ジョン・フリン監督)が本編シナリオ担当ポール・シュレイダーの原案・脚本なので在った
そして本編のシナリオを書いたポール・シュレイダーが監督としてジョージ・C・スコットとタッグを組んで娘捜しに夜の街に繰り出すと云う異色作が映画「ハードコアの夜」だった…。ミステリアスで何処か危うい感じが本編とも共通していたんだ。
本編に続く様な作風の、マーチン・スコセッシ監督の初期作品にニューヨークのリトル・イタリーを舞台にした映画「ミーン・ストリート」が在る。矢張り本編宜しくロバート・デ・ニーロが出演、ハーヴェイ・カイテルと共演していた。冒頭から基督教信者の葛藤らしき内面がモノローグで語られる。此のスタイルは遠藤周作原作の「silence沈黙」でお踏襲されているー。本編は美大の英語講師が酷く褒めていて、「ウデイ・アレンの映画なんかもう、目じゃ無いよ…」と言う惚れ込み様だったんだ。「ミーン…」にはユダヤ系女性とトラブル酒場シーンとかシェークスピア悲劇見たいなサプライズも出て来るけど、移民同士の抗争劇見たいな要素も社会背景に有るんだろう。親子の出演ででリトル・イタリーの実家を画いたセミ・ドキュメントも撮っていたスコセッシ監督、其の原点には本編の如きパッションが間違い無く在るんだね🎵🇮🇹🇺🇸
音楽バーナード・ハーマンの旋律と共に始まるイエロー・キャブの車内から捉えられた夜のストリート、撮影マイケル・チャップマンのカラー映像のミラージュ効果!高校の文化祭では嘗ての名画座・老舗、飯田橋駅前に在った〈佳作座〉が本編のポスター等を映画研究会の為に分けてくれた‼️感謝・感激🎥其れは主演ロバート・ デニーロが街を歩く実に粋な作品だったね🎵シビル・シェパード、ジョデイ・フォスターも佳かった…。