十戒(1957) 作品情報
じゅっかい
エジプト王ラメシス一世は、新しく生まれるヘブライの男子をことごとく殺すという命を発した。生まれたモーゼ(チャールトン・へストン)も母親の手でナイルの大河へゆりかごに隠されて流された。だが幸運にも小さな箱船は王女の足もとへただよい着いた。王女はその赤児をあわれに思い、引きとって立派に育てた。成長したモーゼがエジプト王子として勢力を得て来た頃、宮廷には彼のほかに実の王子ラメシス(ユル・ブリンナー)が権力をふるっていた。2人は王位と王女ネフレテリ(アン・バクスター)の争奪を始める。ネフレテリは“世襲王女”であったから、王座を継ぐものは彼女と結婚しなければならないからだ。ある日、モーゼは奴隷であるヘブライ人が重労働を課せられているのを見、そして1人のエジプト人が、ヘブライ人を打ちすえたところを目撃した。だが、この現場を同胞を食いものにしている奴隷頭デイサン(エドワート・G・ロビンソン)が見ていた。これがラメシスの耳に入り、ヘブライ人であることが暴露されたモーゼは砂漠に追放された。荒野をさまようモーゼを救ったのは、ジェスローだった。やがてモーゼはジェスローの長女セフォラ(イヴォンヌ・デ・カーロ)と結婚した。彼はここで平和な生活を送っていたが、ある日シナイ山で神の声を聞いた。モーゼは解放者に選ばれたのだ。ここにモーゼとラメシスの争闘が始まった。疫病がエジプトを襲った。数千の奴隷は脱出して紅海の畔までたどり着いた。ラメシスは戦車をかり出した。だが、モーゼがひとたび叫ぶと、焔が立ちラメシスの軍勢を防いだ。海は陸地となり、水は2つにわれるという奇跡が起こったのだ。エジプトの軍勢は海底に没した。勝利者モーゼは、シナイ山頂に立ち、神の指が褐色の岩に十戒を1つずつきざんで行くたびに、顔を聖なる光に輝かせ、耳にすさまじい雷鳴を聞いていた。デイサンは、最後の力をふりしぼって人々をモーゼに立ち向かわせようとした。が、モーゼが投げた石の板がくだけ、火が燃え上がり悪しき者を焼きつくした。やがて、人々はヨルダン河の畔のネボ山の麓にたどりついた。モーゼは唯1人、神の前に行くべくネボの山を登っていった。
「十戒(1957)」の解説
1923年、今回と同様セシル・B・デミルが監督した「十誡(1923)」の再映画化で、製作費1350万ドルを費やしたというスペクタクル宗教史劇、イーニアス・マッケンジー、ジェン・L・ラスキー・ジュニア、ジャック・ガリス、フレドリック・M・フランクの4人が脚本を書き、「胸に輝く星」のロイヤル・グリグスが撮影監督をつとめた。特殊撮影を受け持ったジョン・P・フルトンは1957年度アカデミー賞を受賞した。音楽は「最前線」のエルマー・バーンスタイン。主演は「三人のあらくれ者」のチャールトン・ヘストン、アン・バクスター、「追想」のユル・ブリンナー、「地獄の埠頭」のエドワード・G・ロビンソン、「勇者カイヤム」のデブラ・パジェット、そのほか「裸の天使」のジョン・デレク、「重役室」のニナ・フォック、「南部の反逆者」のイヴォンヌ・デ・カーロ、「放浪の王者(1956)」のサー・セドリック・ハードウィック、「サヨナラ」のマーサ・スコット。231分版もあり。
公開日・キャスト、その他基本情報
配給 | パラマウント |
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制作国 | アメリカ(1957) |
上映時間 | 220分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、6件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-11-11
この映画「十戒」は、巨匠セシル・B・デミル監督の映画史上に輝く史劇大作だ。
巨匠セシル・B・デミル監督が、1923年に映画化した「十誡」を、1,350万ドルを費やし、再び自身の手で映画化した作品。
モーゼはイスラエルの子でありながら、エジプト国王の王子として育てられる。
やがて、反逆者として砂漠に追放されたモーゼは、神の声を聞き、イスラエルの民衆を連れて、エジプトを脱出する。
現在のSFXとでは比較にならないが、紅海が二つに割れる特殊撮影、新宮殿完成の合成シーンなどは、実に見応えがある。
単なる歴史劇・宗教劇としてだけではなく、豪華なスターの顔合わせの人間ドラマとしても堪能できる。