ジャイアンツ 感想・レビュー 9件

じゃいあんつ

総合評価5点、「ジャイアンツ」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-22

そんな個人的な思い入れはともかく、「陽のあたる場所」「シェーン」の名匠ジョージ・スティーヴンス監督は、広大なテキサスの大地を思わせるこの題名に、ロック・ハドソンのビックとジミーのジェットという二大人物を、旧体制と新体制とに象徴させ、アメリカ近代史の再確認をしているのだと思う。

そして、ジョージ・スティーヴンス監督は、どちらが正しいと言っているわけでもなく、どっちも同じテキサス人なのだから、つまるところ主義主張に変わりはないのだと言っているのだと思う。

強いて言えば、家庭を作っているビックの方が幸福ではないかと、言っているに過ぎない。それより、人種偏見や人種差別といった根強いアメリカの恥部をきちんと描いており、その問題提起の方がより心に残ります。

広大な荒野の代わりに、白人と混血の赤ちゃんで映画が締め括られるのは、人種偏見がなくなって欲しいというジョージ・スティーヴンス監督の願いであり、アメリカへの限りない信頼と愛情なのだと思う。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2024-07-22

ドラマティックなシークエンスが多い「ジャイアンツ」ですが、そこには必ずジミー演じるジェット・リンクがいる。テキサス一の牧場主、ベネディクト家から冷遇される彼は、エリザベス・テイラー扮する若妻レズリーに、恋慕の情を抱き続け、逆転のチャンスを待っている。

そして、油脈を掘り当て、ロック・ハドソンを殴りつけるジミーほど、心に焼き付いたキャラクターはいない。「理由なき反抗」「エデンの東」のジミーもいい、だが私にとってのジェームズ・ディーンは、このジェット・リンク以外にない。

それというのも、ただ成り上がってしまうだけではなく、結局はレズリーに思いを告げる事が出来ない、敗北者として惨めったらしい醜態まで晒してしまうからだ。大金でもステータスでも、決して埋める事が出来ない、"巨大な孤独感"を死ぬまで抱き続けるこの男の姿が、他の数々のスクリーン・ヒーローを蹴落とし、常に理想の存在として私の心の中に存在するのです。

そんな人物を登場させてくれただけでも、この作品は忘れがたい作品となっているのです。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-07-22

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

このジョージ・スティーヴンス監督の名作「ジャイアンツ」は、エリザベス・テイラー扮する主人公の女性レズリーの広大な西部のテキサスでの生活や、牧場主であるロック・ハドソン扮する夫のビックとジェームズ・ディーン扮するジェット・リンクとの確執の狭間に立つレズリーの姿を通して、時代の大きな流れの中で揺れ動く、20世紀初頭のアメリカ西部をダイナミックに描いた一大叙事詩ともいうべき作品だ。

東部の名家に育ったレズリーは、長身のテキサス男のビックと結婚し、大牧場へと嫁いでいく。ラズというビックの姉が仕切るベネディクト家は、旧態依然とした昔ながらの大地主だ。

進歩的なレズリーは、使用人のメキシコ人の扱いなどで夫のビックと度々衝突する。やがて、牧童頭のジェットが地道に発掘調査を行っていた土地から、石油が吹き出し、彼はたちまち大富豪に------。

轟音とともに石油が吹き出す。空を仰ぎ、全身でそれを浴びるジェームズ・ディーン------。ロック・ハドソンの大地主に代わって、蔑まれ続けた弱者が勝者になる瞬間が、まさにこのシーンだ。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2022-03-08

本篇同様エリザベス・テイラーとロック・ハドソン共演のオールスターcastのアガサ・クリステイー原作のmysteryが映画〈クリスタル殺人事件〉1980年ガイ・ハミルトン監督作品。撮影所が舞台で起こる怪事件🌷

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2022-02-05

学校の社会科教師がお薦めの本篇は当時,三越劇場でも再映されて居て直ぐ見に行った想い出の名篇…。油田の開発や人種差別問題にも

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
なし
投稿日
2021-05-11

本篇製作の前年名匠ダグラス・サーク監督が本ロック・ハドソンとベイビーズ・フェイスのジェーン・ワイマン主演で録った作品が〈天はすべてを許し給う〉だった。ソロー著『森の生活』を人生の指針にした庭師をハドソンが演じ一途な愛を貫く

P.N.「グスタフ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2019-10-12

戦後アメリカ映画の名作「ママの想い出」「陽のあたる場所」「シェーン」に続いてジョージ・スティーブンス監督が描くアメリカ近代史。牧畜産業から石油産業に変わり、富と自由主義を謳歌するテキサス人の光と影、そして良心を問う壮大なヒューマンドラマ。「偉大な生涯の物語」でも感じた、スティーブンス監督の誠実な人柄、じっくりと構えて完璧を目指す制作姿勢に感銘を受ける。
美しさの絶頂にあるエリザベス・テイラーが演じる東部出身のレズリーが女性として逞しく成長する女性映画でもある。西部男たちの政治談議に口を挟んで批判を受けるも屈しないところがいい。そのレズリーに叶わぬ恋心を抱き続けるジェット・リンクを演じたジェームズ・ディーンの繊細な演技が素晴らしい。ひとり訪ねてきたレズリーに紅茶をもてなすシーンと原油を頭から浴びた姿でレズリーに言い寄るシーンは、とても印象的なツーショットです。
映画は人種差別に対するテキサス男ベネディクト当主のロック・ハドソンの改心で閉めるが、孫の子供たちのラストカットに込められた、差別の時代の終焉を願うメッセージは素直に受け止めたい。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2018-10-25

そしてジョージ・スチーブンス監督の映画「アンネの日記」を観てると昔、図書館で借りて読んだスペインの獄中記「エヴァの日記」の中の鴎のシーンが甦って来るんだよ…。屋根裏部屋のアンネ・フランクの青春は、獄中では無かったものの、ユダヤ人にとってはナチスの横行するアムステルダムの街は自由の無い〈籠の鳥〉の如き生活だったからー。🐦

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2018-08-12

本ジョージ・スチーブンス監督の映画「アンネの日記」はアンネ役にミリー・パーキンスのモノクロの名作だった…。隠れ家の天窓から見える大空を舞う鴎島の姿が何ともシンボリック!そして本編の方は昔、三越劇場で観たジェームス・デーンとエリザベス・テイラー等が出演している総天然色の長編映画でジミーの石油成金のジェットの物悲しさが印象的だったー。

最終更新日:2024-08-01 16:00:02

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