P.N.「グスタフ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-10-14
ストーリーテラーの達人ビリー・ワイルダーは多作な上傑作も多く、正直なところ代表作を絞り切れない。未見の「熱砂の秘密」から「深夜の告白」「失われた週末」、この「サンセット大通り」「情婦」「昼下りの情事」「翼よ!あれが巴里の灯だ」「お熱いのがお好き」「アパートの鍵貸します」と、どれもが個性的で魅力的な映画ばかりだ。ルビッチとヒッチコックを足してダークにした感じで、独自の演出タッチを確立している。他に「男性と女性」「エアポート’75」しか観ていないが、ノーマ・デズモンドを演じるグロリア・スワンソンのサイレント映画の演技スタイルの存在感には圧倒される。そこにサイレント映画の巨人エーリヒ・フォン・シュトロハイムとセシル・B・デミルが加わり、クラシック映画好きには堪らないキャスティングになっている。ラストのスポットライトに照らされた、サロメを演じる狂気のノーマ・デズモンドを観られるだけでも価値がある。