さよならコロンバス 作品情報

さよならころんばす

ニューヨーク近郊の住宅街。図書館員のニール(リチャード・ベンジャミン)は、プールで、女子大生のブレンダ(アリ・マックグロー)と知りあい、たちまち恋におちた。彼は大学を出て陸軍生活をし、今は除隊になって、のんびりと、暮らしている男。将来の目的は、これといってない。一方、ブレンダの両親は、一代で富を築きあげた典型的なユダヤ人一家だ。金もうけに気のないニールなど、気に入るはずはない。だが2人の恋は深まるばかり。むろん身体の関係も出来た。そして、ブレンダの夏休みも終わりに近い頃、誘われるままにニールは彼女の家に2週間ほど、泊まりがけで遊びに来た。家人の目を盗み、情事が続けられた。ピルを使うとか、使わないとかで押問答をし、結局、ブレンダが避妊器具を使って。一方、彼女の兄ロン(マイケル・メイヤーズ)は典型的な若きアメリカン。近く結婚を控えているが、彼の一番の興味は母校オハイオ大学のこと。オハイオ州コロンバスにある学校で、彼は、バスケットの名選手だった。そして“さよならコロンバス”というレコードをかけては、名選手だった往年をしのび恍惚としている、おめでたいような、気のいい男である。そんな彼もユダヤ式の盛大な結婚式を挙げ、父の仕事の後を継ぐ。ブレンダは、大学のあるボストンへ戻った。そしてニールが会いに来て、2人は安ホテルへ。そこでブレンダは大変なことを言い出した。避妊器具を家へ忘れてきて、母親が、みつけてしまった。どうしたらいいの、とわめく。冗談じゃない、わざと忘れてきたんだろう、とニール。2人の口論は続く。ああ、なんという女だ!とニールは思ったのだろうか?1人ホテルを飛び出していってしまった。

「さよならコロンバス」の解説

フィリップ・ロスの小説をアーノルド・シュルマンが脚色、「わかれ道(1963)」のラリー・ピアースが監督した青春篇。撮影は、ジェラルド・ハーシュフェルドでニューヨーク近郊のロケ、音楽はチャールズ・フォックス、美術はマニー・ジェラルド、編集はラルフ・ローゼンブラムの担当。出演はリチャード・ベンジャミン、アリ・マックグロー、ケイ・カミングス、マイケル・メイヤースら、ともに新人。製作はスタンリー・R・ジャッフェ。

公開日・キャスト、その他基本情報

配給 パラマウント
制作国 アメリカ(1969)

ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-15

この映画「さよならコロンバス」は、フィリップ・ロスの小説が原作のラリー・ピアース監督の青春映画の佳作

ニューヨークで図書館に務める青年ニール(リチャード・ベンジャミン)が、ブレンダ(アリ・マッグロー)と知り合う。
二人はデートを重ねるが、裕福なユダヤ人の両親に育てられ、我儘に育ったブレンダと、ナイーヴなニールとの間には、次第にズレが生じてくる。

当時の青年男女の生態を、階級の違いと、典型的なユダヤ人一家を通して、ほろ苦い、軽喜劇タッチで描いていて、セックスに関する露骨なセリフも出てくるが、ヒロインのユダヤ人女性としての在り方を捉える視点が、実に興味深い。

「ある愛の詩」でブレークする前のアリ・マッグローが好演していて、後に監督へ転身するリチャード・ベンジャミンのキャラクターも新鮮だ。
そして、アソシエーションの歌う主題歌も、いつまでも心に残る。

最終更新日:2023-12-25 16:00:02

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