殺人者たち 作品情報

さつじんしゃたち

ろうあ学校の教師ジョニー(ジョン・カサヴェテス)は殺し屋チャーリー(リー・マーヴィン)、リー(クルー・ギャラガー)に殺された。だが、殺し屋の2人は何のためにこんな男を、と疑問を持ち、ジョニーの過去を賞金ぬきで知りたくなった。以前、ジョニーは自動車レースのベテランだった。それはスパルタ風の練習と節制の賜物であった。ところが、シーラ(アンジー・ディッキンソン)という女が現れてから、彼は変った。レースにも負け、おまけに車で事故も起こした。忠告する同僚にも耳をかさなかった。ある日、シーラは彼をジャックという評判の悪い男に紹介した。ジャックは現金輸送の車を襲う計画をジョニーに話し、シーラとの生活をほのめかした。一定の時間に一定の道を通る現金輸送車。交通巡査を装った仲間が標識を変えて輸送車を迂回させ、そこで追い越して現金を強奪するというのだ。彼らの計画にはどうしても自動操縦のエキスパートが要る。シーラに溺れたジョニーはその仕事をひきうけ、それは成功した。だが、同僚の忠告通り、彼女はジャックの情婦であり、彼の指図で動いていたのをその時になって知った。ジャックの凶弾に傷つきながらも彼は危く逃れた。各地を放浪の末、ろうあ学校の教師になっていたのを知ったジャックが、2人の殺し屋を雇ったのだった。今はジャックは足をあらい、実業家になっていた。殺し屋たちはジャックを訪ね、そのときの100万ドルを出せと迫った。ジャックは現金用意の余裕を求め、シーラを呼び寄せ、2人を消すことに決めた。約束の時間、事務所の前でリーはジャックのライフルに倒れた。チャーリーは負傷にめげず、ジャックを撃ち、シーラを殺した。だが、出血のため、現金の詰まった鞄を持ったまま死んだ……。

「殺人者たち」の解説

ヘミングウェイの「殺人者たち」をジーン・L・クーンが脚色、ドン・シーゲルが演出・製作したギャングドラマ。撮影はリチャード・L・ロウリングス、音楽はスタンリー・ウィルソン、主題歌は「シャレード」のヘンリー・マンシーニが担当した。出演はTV「シカゴ特捜隊M」のリー・マーヴィン、TV「西部の対決」のクルー・ギャラガー、「ニューマンという男」のアンジー・ディッキンソン、TV「87分署」のノーマン・フェル、ジョン・カサヴェテス、ロナルド・レーガンほか。

公開日・キャスト、その他基本情報

配給 ユニヴァーサル
制作国 アメリカ(1964)

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-02-07

このドン・シーゲル監督の映画「殺人者たち」は、ヘミングウェイの短編の映画化作品。

標的の元レーサーを、あっさり射殺できたことに疑問を抱いた殺し屋(リー・マービン)を語り部に、フラッシュバック形式で、数年前のある裏切り事件の謎が解き明かされていく。

ニヒルなサングラスの殺し屋に扮したリー・マービンのハードボイルドぶりが魅力的で、凄まじいバイオレンス描写とともに、強烈な印象を残す。

後に大統領になったロナルド・レーガンの最後の出演作で、女をたぶらかす裏切り者の首謀者を好演している点も見逃せない。

最終更新日:2024-02-17 16:00:02

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