この愛にすべてを 作品情報
このあいにすべてを
ラス・ベガスのコーラス・ガールのフラン(エリザベス・テイラー)には愛人のロックウッド(チャールズ・ブラスウェル)がいた。彼は女房持ちの男で、フランは彼が妻と離婚するのを待っている。ジョー(ウォーレン・ベイティ)はベガスで大金をすり、にっちもさっちもいかなくなり、芽が出るまで下町の二流バーでピアノを弾いている賭博師だった。ある物憂い夜、2人はバーで口をきき、そのままずるずるとフランのアパートで一夜を明かす。翌朝、2人は互いの身の上話をボソボソと自己嫌悪と自嘲を交えながら話し合ったが、両方とも真実を打ち明けたい気持ちがあるくせに、ざっくばらんにとはいかない。その夜もバーで会う約束をするのだが、ジョーは来なかった。フランは怒って帰るのだが、怒りは彼に対してのものでなく、自分に対する腹立たしさからのものだった。しばらくしてアパートにジョーが来て、来られなかった理由を話す。ある人から金を借り賭博をしたところ8千ドル儲けた。もうベガスに用はなく、今夜はハデにハメを外して遊ぼうと言う。遊び歩くうち、あるカジノに入り、ジョーはサイコロ・ゲームを始める。賽の目は裏目しか出ず、フランは見るに忍びずアパートに帰る。数時間後、ぐでんぐでんになったジョーが帰って来た。彼はスッテンテンになった自分の愚かさを悔い、泣き出した。フランは同情し、間代をもちよって同居しようと言う。数日楽しい日が続いた。ある日、コックウッドが突然やってきて、ようやく妻と離婚したからすぐにでも結婚しようと言う。だが、フランにはもうその意志はなかった。彼女にはジョーが現れたのだ。彼女はそれを率直に話して了解を求めた。ロックウッドはもう二度とこないと言って立ち去った。ジョーが帰ってくると、フランは彼にコックウッドはまだ離婚していないが、もう少しの辛抱だと言って帰ったと嘘をつく。2人の同棲は続いた。数か月経ったある夜、ジョーは、2人がベガスの生活から足を洗おうと貯めた金を引き出し、賭博に出る。フランは腹を立て、翌日ベガスを去ろうと決心した。ジョーはついてた。大金を懐にしてアパートに帰ってきた彼は、ベガスとおさばらする日がきたと淋しそうに言った。彼女と別れるのが辛いからだ。彼は思い切って求婚した。フランは予期していたが、即答できなかた。が、思いは同じであった。(20世紀フォックス配給*1時間56分)
「この愛にすべてを」の解説
倦怠と歓楽の都を漂泊う孤独な男と女が出会い、お互いを傷つけあいながらも確かな愛を取り戻す。製作は「おしゃれ泥棒」のフレッド・コールマー、監督は「偉大な生涯の物語」のジョージ・スティーヴンス、フランク・D・ギルロイが自分のブロードウェイ舞台劇を脚色、撮影は「シシリアン」のアンリ・ドカエ、音楽は「裸足のイサドラ」のモーリス・ジャールがそれぞれ担当。出演は「秘密の儀式」のエリザベス・テイラー、「俺たちに明日はない」のウォーレン・ベイティ、映画初出演の舞台人チャールズ・ブラスウェルなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1970年12月5日 |
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配給 | 20世紀フォックス |
制作国 | アメリカ(1970) |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-02
このエリザベス・テイラーとウォーレン・ベイティ競演の「この愛にすべてを」は、「シェーン」「ジャイアンツ」などで知られる巨匠ジョージ・スティーヴンス監督の遺作となった、ブロードウェイの舞台劇の映画化作品だ。
ラスベガスを舞台に、コールガールと流れ者のピアニストが出会い、お互いを傷つけあいながらも、やがて確かな愛を取り戻していく姿を、切々と描き出していると思う。