キング・ソロモンの秘宝(1985) 作品情報
きんぐそろもんのひほう
アフリカのドンゴラ。考古学者ヒューストン教授は、ソロモン王の秘宝のありかをしるした像を発見。欲深なトルコ人の武器商人ドガティ(ジョン・リス=デイヴィーズ)と、ドイツ軍人ボックナー大佐(ハーバート・ロム)が彼をとらえて、像に描かれている古代カナン語を解説するよう迫った。一方、教授の娘ジェシー(シャロン・ストーン)は、冒険家アラン・クォーターメイン(リチャード・チェンバレン)をガイドにして、ドンゴラにやって来た。彼女のことを知ったドガティは彼女を誘拐させた。クォーターメインは従者のウンボポ(ケン・ガンブ)と力を合わせて、彼女を救出した。ドガティらは教授をつれて、ソロモンの洞窟の方向へ汽車で移動する。秘密を入手してドイツ軍の軍資金にしようと考えているボックナー大佐は、やたらとワーグナーの<ワルキューレの騎行>のレコードをかけてドガティをあきれさせた。ジェシーら3人は列車に乗り込んだが、逆につかまり、娘をつかっておどされた教授はついにありかをしゃべってしまう。が、クォーターメインの活躍により教授父子は救出される。ウンボポに教授を託してクォーターメインとジェシーは、ドガティの一行を追った。途中で食人族につかまり、釜ゆでにあうが危うく難を逃れたり、木にぶらさがって暮している変わった一族と知りあったりする。それまで反発しあっていた2人だったが、心が交いあうようになった。醜い女族長ガグーラ(ジューン・ブゼレッジ)率いるククワナ族につかまり、ワニに食われそうになった時、ウンボポが現われて救ってくれた。彼は一族のリーダーだったのである。ガグーラはジェシーをつれ、ソロモン王の洞窟に逃げ込んだ。あとを追ったクォーターメインとウンボポが彼女を助け出した。ボックナー大佐とドガティも現われ宝石の一人占めを狙って争う。ジェシー、クォーターメインも危険な目に合うが、生命からがら逃げ出す。洞窟のなかは大音響とともに崩れ始める。
「キング・ソロモンの秘宝(1985)」の解説
古代イスラエルの王ソロモンが所有していたという伝説の宝物をめぐる冒険映画。製作はキャノン首脳のメナハム・ゴラン、ヨーラム・グローバス。監督は「誕生日はもう来ない」(81)のJ・リー・トンプソン。H・ライダー・ハガードの「ソロモン王の洞窟」(創元推理文庫)の4度目の映画化で、脚本はジーン・クィンターノとジェームズ・R・シルクが執筆。撮影はアレックス・フィリップス、音楽はジェリー・ゴールドスミスが担当。出演はリチャード・チェンバレン、シャロン・ストーンほか。ジンバブエで撮影。ドルビー・ステレオ。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1986年6月28日 |
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配給 | 日本ヘラルド |
制作国 | アメリカ(1985) |
上映時間 | 100分 |
ユーザーレビュー
総合評価:3点★★★☆☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2024-05-14
「インディー・ジョーンズ」シリーズの大ヒットに便乗して企画された、この「キング・ソロモンの秘宝」は、昔懐かしの”連続大活劇”で、かつて、ハラハラ、ドキドキしながら徹夜で読んだヘンリー・ライダー・ハガードの大冒険ロマン小説の映画化だ。
古代イスラエルの王ソロモンが所有したと言われる、金銀財宝をめぐって繰り広げられる”愛と冒険の物語”。
この秘宝に魅せられた冒険家、消息を絶った父を探す美女、悪徳軍人、更に人喰い人種などなど、この手の映画に欠かせない要素が勢揃いしている。
そして、出来栄えはというと、危機また危機の連続活劇に仕立ててあって、これは「レイダース」や「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」の完全な真似ではあるが、あれよあれよと話が展開していき、これはこれで結構面白い。
「ナバロンの要塞」「マッケンナの黄金」と、アメリカ映画界では連続活劇の大御所J・リー・トンプソン監督が、一時期はもう消滅したかと思われたエネルギーを猛然と盛り返して、手に汗握るスペクタクル・アクションを楽しませてくれる。
これは、当時、キャノン・フィルムを設立して、チャールズ・ブロンソンやチャック・ノリスと組んでヒット作を連発し、とにかく楽しくて面白い映画を我々映画ファンに提供し続けた、イスラエル出身のメナハム・ゴーランとヨーラン・グローバスの二人の製作者のアイディアの勝利だろう。 ただし、その代わり、キング・ソロモンの洞窟にまつわるミステリアスなロマンの綾が小さくなっていると思う。 これはヒロインの姿にも言えることで、連続活劇のヒロインとしても、この映画でのじゃじゃ馬の勝ち気な暴れ娘というキャラクターでは、かつてのデボラ・カーの気品やソフィスティケイションは望むべくもない。 確かに、演じているシャロン・ストーンも悪くはないが、デボラ・カーや「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」のキャスリーン・ターナーには及ぶべくもないのだ。 これは、ヒーローのリチャード・チェンバレンにも言えることだ。 ただ、そうは言っても、映画が始まるや否や、いきなり本題に入ってぐんぐん引っ張っていく、J・リー・トンプソン監督の演出のパワーは、やはり映画ならではの醍醐味を見せてくれる。