カーツーム 作品情報

かーつーむ

1883年、スーダンでイギリスの将軍と彼に従う1万のエジプト人が殺された。殺戮者の名はマーディ(ローレンス・オリビエ)。狂信的な回教徒のリーダーで、民族の自由の名のもとに、反乱を起こしている男である。当時、スーダンを支配していたのはエジプト、そのエジプトを統治していたのはイギリスである。困惑したイギリス首相グラッドストンは、穏便に解決するため、ゴードン将軍(チャールトン・ヘストン)に白羽の矢をむけた。彼は過去6年スーダンに住み、奴れい売買の撤廃に尽力した国民的英雄であり、かつて中国でも内乱鎮圧に目ざましい才腕をみせた男である。そして彼の補佐役としてスチュワート大佐(リチャード・ジョンソン)が選ばれた。任地到着そうそう、ゴードンはマーディと会見したが、和解の糸はみつからなかったばかりか、マーディの殺戮は、ますます激しくなった。首都カーツームを死守しようとするゴードンのやり方に不満を抱く者もでてきた。しかし、ゴードンの人間味を理解しはじめたスチュワートは首相を説得、ウォルスリー将軍と7000の兵士がカーツームへ派遣されることになった。だが彼らの目的が、ゴードンの救出にあって、カーツーム防衛でないことを知ったスチュワートは、彼に撤退を請願した。しかしゴードンは、町の人たちを一刻も早く安全地帯へ退去させるよう、命令し自分はとどまった。しかし一行はマーディの奇襲作戦に会い消息を断った。カーツームは死都と化した。その頃、ゴードンとマーディは2度目の会見をした。この時、両雄の間には、敵意の代わりに、英雄のみが持つ不思議な共感が交流した。勝利を確信しているマーディは、ゴードンに退去を勧めたが無駄だった。交渉は決裂。マーディの総攻撃が再開された。飢えに苦しむ部下を率いて、先頭にたったゴードンの胸に、「彼を殺すな!」というマーディの命令もむなしく、矢が飛んできて、彼は群衆の中に倒れた。2日後、ウォルスリーの1隊が到着し、カーツームは再びイギリスの手に帰った。孤独な英雄ゴードンの銅像は、今もカーツームに生きている。

「カーツーム」の解説

ロバート・アードリーのオリジナル・シナリオを、「潜行」のバジル・ディアデンが監督したチャールス・ゴードン将軍の伝記もの。撮影はエドワード・スケイフとハリー・ワックスマン、音楽はフランク・コーデルが担当した。なおアクション監督に「ベン・ハー(1959)」の戦車競争シーンで名をあげた名スタントマン、ヤキマ・カナット、特殊効果をジョン・ハウエルが担当した。出演は「華麗なる激情」のチャールトン・ヘストン、「オセロ」のローレンス・オリヴィエ、「モール・フランダースの愛の冒険」のリチャード・ジョンソンほか。製作はジュリアン・ブロースタイン。

公開日・キャスト、その他基本情報

配給 ユナイテッド・アーチスツ
制作国 アメリカ(1966)
上映時間 134分

ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-12

この映画「カーツーム」は、19世紀半ばの清朝中国を舞台に、内乱の鎮圧に活躍した英国の将軍”支那のゴードン”の晩年を描く歴史大作。

スペクタクル映画としては説明が多すぎるが、ゴードン将軍役のチャールトン・ヘストンと反乱軍の回教徒のリーダー、マーディ役のローレンス・オリヴィエという、当時の大スターと名優との激突が最大の見物だ。

ゴードン将軍が英国のグラッドストーン首相の策謀で、スーダンの総督として赴任する。
そして、反乱軍のリーダーのマーディと会って局面を打開しようとするが成功せず、遂に首都のカーツームにおいて包囲され、悲愴な最期を遂げるまでを、歴史の教科書的な生真面目さで描いていて、凡庸なバジル・ディアデン監督の演出のせいもあって、面白みのない作品になっている。

もっとも、ドラマ的には盛り上がりに欠けるものの、砂漠の戦闘シーンは、大勢のエキストラを動員して、相当な見せ場になっている。

そして、最大のスペクタクル場面は、やはりクライマックスのカーツームでの攻防戦で、動きは西部劇でのインディアンの来襲より鈍くて爽快さもないが、重量感は十分感じられましたね。

最終更新日:2024-05-22 16:00:02

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