L.A.大捜査線 狼たちの街 作品情報
えるえーだいそうさせんおおかみたちのまち
アメリカ合衆国秘密捜査官のチャンス(ウィリアム・ピーターセン)とその相棒ジミー(マイクル・グリーン)はよく息が合うコンビだったが、定年退職を2日後に控えたある冬の日、ジミーは射殺死体で発見された。長年追い続けた偽札犯人エリック(ウィレム・ダフォー)を追いつめた結果の惨劇だった。命がけの仕事の上では最高の相棒、そして私的にも親友であったジミーの死体を前に、チャンスはエリックへの復讐を誓った。新しく相棒になったジョン(ジョン・パンコウ)と行動を再開したチャンスは、手始めに空港で偽札を使用した男を捕まえたところ、名をカール(ジョン・タトゥーロ)といい、偽札の運び屋でアタッシュケースには1000万ドルの現金が詰まっていた。刑務所に収容されたカールを訪ねたエリックはいつ自白するとも知れぬカールの様子に不安を抱き、弁護士のマックス・ワックスマン(クリストファー・アルポート)にカール保釈の相談にいく。同じ頃チャンスは仮釈中の女情報屋から、ワックスマンが偽札をさばいていることを聞きだし、彼を追いはじめた。ワックスマンの事務所を見張り始めて3日目、エリックの愛人のビアンカ(デブラ・フューアー)が事務所を訪ねてきて、ワックスマンを誘惑する。その時、突然、エリックが現われ、金庫から金を奪うとワックスマンを殺して逃げた。事情を察知したチャンスは事務所に飛び込み、偽札の取り引きの暗号が記されているメモを入手した。再び女情報屋から、盗品のダイヤを買うために5万ドルを持ってバイヤーがロスに来ると聞いたチャンスは、エリックに依頼した偽札の前金3万ドルをそれに当てようとバイヤーを襲撃したが、実は彼はFBIの囮捜査員で、追跡してきた謎の取り引き相手に殺されてしまう。相棒のジョンはチャンスの強引なやり方を強く責めるが、エリック逮捕に燃えるチャンスは聞く耳をもたなかった。彼はチャンスのスキに乗じて逃げていたカールを捕え、エリックの工場の場所を聞き出す。その上でチャンスはジョンと共に偽札を受け取るため前金を持ってエリックに会いに出かけた。その時、逮捕しようとしたチャンスらと壮絶な撃ち合いになった。チャンスは射殺され、ジョンはエリックを追って偽札工場へ。そして、エリックを追いつめたジョンは怨みの全てを込めて、エリックに向かって発砲した。
「L.A.大捜査線 狼たちの街」の解説
偽札犯に殺された同僚の仇を討つべく悪戦苦闘するシークレット・サービス捜査官の姿を描く。製作はアーヴィング・H・レヴィン、監督はウィリアム・フリードキン、ジェラルド・ペティーヴィッチの原作(『LA捜査線』ハヤカワ文庫)をペティーヴィッチ自身とフリードキンが共同で脚色、撮影はロビー・ミュラー、音楽はウォン・チュンが担当。出演はウィリアム・ピーターセン、ウィレム・ダフォーなど。ドルビー・ステレオ。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1986年11月8日 |
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配給 | ユナイト映画=UIP |
制作国 | アメリカ(1985) |
TV放映 |
2024年6月18日 テレビ東京 午後のロードショー |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-06-03
"鬼才ウィリアム・フリードキン監督による、全く新しい分野の犯罪ドラマの傑作 「L.A.大捜査線 狼たちの街」"
この映画「L.A.大捜査線 狼たちの街」は、1970年代前半に「フレンチ・コネクション」で、刑事映画に一大旋風を巻き起こした、鬼才ウィリアム・フリードキン監督が、またまた、全く新しい犯罪ドラマの分野を切り拓いた、画期的な作品です。
今回の主人公は、アメリカ財務局の捜査官で、財務局の捜査官といえば、元々は偽札捜査からスタートした組織ですが、大統領警護のシークレット・サービスも彼等の重要な職務です。
映画の冒頭、いきなり爆弾犯人を追い詰めるアクション・シーンから始まりますが、ここで、フリードキン監督は相棒との友情を見事に表現しておいて、本題の偽札犯追求に入っていくという演出のうまさを見せます。
ここで、いきなりフリードキン監督の映像魔術の世界に引きずりこまれてしまいます。