必殺女拳士 作品情報

ひっさつおんなけんし

兇悪化する犯罪都市ニューヨークの市警本部は、犯罪防止のため、警察官の護身術として空手を採用することを決めた。そして、沖縄空手を代表する桧垣一真と、東京剛武館総長の二階堂弘宣の二人の師範候補が上った。二階堂は、このポストを手に入れようと画策するが、市警本部は、この道一筋に生きて来た桧垣を強力に推した。劣勢になった二階堂は、李鉄根、アントニオ、白毛鬼の三人の殺し屋を雇い桧垣を殺そうと企んだが、桧垣は、無駄な争いを避けるため二階堂を説得した。しかし、二階堂は不意に桧垣に襲いかかり、桧垣の娘の目の前で、彼の腕を叩っ斬った。10年の月日が流れ、父の意を継いで桧垣流空手の極意を悟った由美は、アメリカを離れ父の復讐のため東京へ向った。一方、アメリカで剛武館の名を売った二階堂は数年前に東京へ帰って来ていた。ひとまず、叔父禅覚の家におちついた由美は、剛武館が主催する世界空手道選手権大会開催を知り、登録手続きをした。その頃、アメリカで由美の父と同じく二階堂の陰謀で父親を殺された沖崎が、剛武館に入門していた。やがて、由美の登録を知った二階堂は、身の危険を感じ、再びアメリカから三人の殺し屋を呼んだ。そして、空手日本一を他の流派に奪われるのを恐れ、登録名簿から特に腕のたつ武術家を、殺し屋を使って大会への出場を阻止した。由美も禅覚とともに襲われたが、危ないところを沖崎に救出された。だが、由美の右腕は傷つけられ、禅覚は死んだ。襲撃に失敗した二階堂は、数日後、果し状を由美のもとに送りつけた。由美は父の復讐のチャンスとばかり、この挑戦を受けた。そして、片腕を負傷している由美は、単身、決闘場へ出かけ、父の復讐を果たすのだった。

「必殺女拳士」の解説

父親の復讐のために空手の修業をつんだ娘が悪一派に立ち向っていくアクション映画。脚本は「安藤組外伝 人斬り舎弟」の松田寛夫、監督は「青い性(1975)」の小平裕、撮影は「トラック野郎 御意見無用」の仲沢半次郎がそれぞれ担当。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1976年1月31日
キャスト 監督小平裕
出演志穂美悦子 倉田保昭 天津敏 佐藤京一 大塚剛 石橋雅史 苅谷俊介 斎藤一之 南雲勇助 大前田武 高月忠 西本良二郎 小松方正 佐藤蛾次郎 加藤嘉 大泉滉 武智豊子 相馬剛三 亀山達也 沢田浩二 河合絃司 千葉治郎 岡田京子 千葉真一
配給 東映
制作国 日本(1976)
上映時間 81分

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ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-12-13

小平裕監督の「必殺女拳士」は、空手の修行を積んだ若い娘が、父の恨みを武道で晴らすというアクション映画だ。

檜垣由美(志穂美悦子)の父(千葉真一)は十年前、ニューヨーク市警の空手師範の地位をめぐって、卑劣な二階堂(天津敏)に襲われ、やがて死んだ。

父から沖縄空手を学んだ由美は、一路、東京へ。
二階堂は、勢力拡大のため、世界空手道選手権大会を計画。

由美も参加するが、二階堂は他流派の参加者をあらかじめ葬り、魔手は由美にも伸びる。
だが、由美は、同じく二階堂を父の仇と狙う沖山(倉田保昭)に助けられ、傷ついた片手をものともせず、二階堂を一騎討ちで倒す。

主人公が女性であり、ラストの対決では片腕であるという、二重のハンデを設け、危機感を盛り上げる活劇になっている。

この映画の一番の見どころは、アクション俳優としての志穂美悦子であり、彼女の素早い動きが実に魅力的で、草原での一騎討ちシーンは見ものだ。

その機能的な肉体の動きが、仇討ちと武道という古いパターンの物語の中で、映画独自の活力となり、娯楽アクション映画の魅惑を放っていたと思う。

最終更新日:2023-12-23 16:00:01

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