麻薬3号 作品情報

まやくさんごう

神戸の港町に巣食うヤクザの慎二は、赤新聞「文化レポート」社を経営していたが、ある日安部啓子という美しい女性の訪問をうけた。啓子は小田という男をさがし、その行方を慎二にたずねるため、やって来たのだった。慎二は彼女を麻薬中毒患者の巣窟に連れて行くが、そこで自称作家五味ともう一人身知らぬ男と会った。啓子がこの場の光景に驚き、にげ去った後、慎二はこの身知らぬ男が小田であることを知る。だが彼は、「俺は殺人犯だ、啓子をたのむ」と慎二に云って、自首してしまった。啓子と慎二との間には、やがて恋が燃えた。二人は新生活に入ろうとしたが、慎二は再び麻薬三号、ヘロインの取引に加わるようになる。そして啓子も姿をかくしてしまった。慎二はこの取引で、美貌の紫都に指図される一団につかまり、旅館の一室で腕を刺された。セセラ笑う慎二の度胸をかったこの家の主人、実は麻薬のボスは、慎二に拳銃をわたして仲間に入れという。慎二は突然紫都の太腿をうち貫き、「これでオアイコだ」とうそぶくのだった。そして連れて来た医者というのが、インチキ作家の五味。慎二はそれでも腕を買われて再度麻薬の取引に参加する。その頃、彼を忘れ得ぬ啓子は、街から街をさまよっていたが、慎二は紫都の手下辰の手引で一味から逃れ、自動車を走らすうち啓子の姿を見た。麻薬密輸団の一味からは、みなが逃れようとしている。が誰もが出来ないことをする慎二にひかれた啓子だ。しかし彼女はすでに薬を飲み、教会で死ぬため歩いているのだった。慎二は彼女を抱いたが、その時、啓子の息は絶えていた。

「麻薬3号」の解説

別冊文芸春秋に連載された九味康祐の原作を、松浦健郎が脚色し、「九人の死刑囚」の古川卓巳が監督した異色作。撮影は「誘惑(1957)」の山崎善弘の担当。主演は「十代の罠」の長門博之、「心と肉体の旅」の南田洋子、「燃える肉体」の白木マリ、助演陣には「フランキー・ブーチャンの殴り込み落下傘部隊」の河野秋武、「花嫁のおのろけ」の日守新一、「鷲と鷹」の二本柳寛、他に高原駿雄、近藤宏、植村謙二郎、西村晃などのベテラン陣が助演している。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督古川卓巳
原作五味康祐
出演長門裕之 南田洋子 白木マリ 河野秋武 日守新一 二本柳寛 高原駿雄 近藤宏 小林重四郎 植村謙二郎 丘野美子 須田喜久代 長谷川照容 西村晃 南博之 松下達夫 相馬幸子 高品格 高野由美 福田文子 小泉郁之助 木島一郎 宇部信吉 黒田剛
配給 日活
制作国 日本(1958)
上映時間 92分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:47

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