ある殺し屋の鍵 作品情報

あるころしやのかぎ

表向きは日本舞踊の師匠である新田は、実は凄腕の殺し屋だった。彼の素姓は、彼と親しい芸者秀子も知らなかった。ある日新田は、石野組幹部荒木から、政財界の秘密メモを握る脱税王朝倉を消してくれと頼まれた。二千万の報酬で仕事を引受けた新田は綿密な調査の末、朝倉の泊るホテルのプールを仕事場と決めた。その日、何も知らずに朝倉と遊んでいた秀子に邪魔されはしたが、新田は針一本の武器で朝倉を殺した。証拠も、目撃者もない、瞬時のことだった。だが、石野組は新田を裏切り、彼を消そうとした。新田は危うくその手を逃れ、報酬だけは自分の手に入れると、再び自分を殺そうとした石野と荒木を始末した。このことから、新田は石野の背後に政界の大物が黒幕として存在することを知った。仕事の報酬である札束の入ったケースを貸しロッカーに預け、自分を利用して殺そうとした者の正体を探るために政治記者に化けた新田は、朝倉の弁護士菊野の口から、この件に遠藤建設が絡んでいることをつきとめた。その遠藤が秀子のレジデンスに通っていることを知って、新田は遠藤を締めあげ、黒幕の名を聞き出そうとしたが、遠藤は刃物を持って新田を襲い、逆に自分の脇腹を刺して死んでしまった。しかし、その直後の遠藤の秘書の電話から、黒幕が、間もなく欧州へ飛ぶ政財界の大立物北城と分った。数時間後、新田はカメラマン姿で空港に姿を現わした。送迎の混雑の中で、巧みに北城に近づいた新田は一瞬の間に北城を刺していた。事を終えて、貸しロッカーの所へ現われた新田は、そこに、爆薬を仕掛けたという情報で調査している数人の警官を見た。やがて、新田のロッカーから、札束のつまったケースが出された時、新田はそれに何の未練も残さず、見物人の嘆声をよそに人波の中に消えていった。

「ある殺し屋の鍵」の解説

藤原審爾の原作『消される男』(弥生書房刊)を、「痴人の愛(1967)」の増村保造が構成、「処女が見た」の小滝光郎が脚色した。監督は「若親分兇状旅」の森一生で、「ある殺し屋」の続編。撮影は「座頭市牢破り」の宮川一夫。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督森一生
原作藤原審爾
出演市川雷蔵 西村晃 佐藤友美 山形勲 中谷一郎 金内吉男 伊達三郎 伊東光一 内田朝雄 玉置一恵 森内一夫 伊東義高 志賀明 岩田正 大林一夫 上原寛二
配給 大映
制作国 日本(1967)
上映時間 79分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:50

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